このシリーズは右のカテゴリー「心理学」に格納されています。
五回目です。Eっていったい何なんでしょう?
Eの必要性の五回目は、「豊穣社会」です。
昔、おそまつ君という漫画がありました。その漫画の中で、「今日の晩御飯のおかずはトンカツだ」となると、もう、盆と正月が一緒に来たかのように登場人物が大喜びします。
私が子供のころ、コロッケというとご馳走でした。あまりにももったいないので、箸の腹で、コロッケをうすーくのばして食べました。こうやって食べると、何か、たくさん食べたような気になりました。寿司など、めったに口に入るものではありませんでした。お客様が来て、両親がお寿司を注文します。遠めに眺めながら、「あのお客さん、お寿司を食べ残していかないかなあ」と真剣に思いました。たこ焼きは、たま~に、買ってもらっただけです。
今は、そんなこと特別でも何でもないですよね。生活レベルは高まりました。こういう社会を豊穣社会といいます。不況だと言っても、生活するには事欠きません。
人間は、食うに困らなくなったらどうなるか。自己保存本能が満たされると、その他の欲求を求めることになります。食うや食わずの時代には意識に上らなかった欲求が急激に高まります。自殺が増えているのもこの豊穣的社会が原因です。
震災などがあると、すぐに「心のケアを」とマスメディアが騒ぎます。まるで、「心が痛まないとだめ」だと言いたげに。そんなことを言ったら、戦後なんて、全ての国民が精神的におかしくなっていたはずです。これも豊穣的社会になったからです。だから、Eが必要になります。
Eって何でしょうか?
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