このシリーズは右のカテゴリー「古典」に格納されています。
ちょっと心が疲れているときなど、菜根譚を読むといいですね。今日のテーマは「悪い心」です。
「肝、病を受くれば則ち目視えること能(あたわ)ず、腎、病を受くれば則ち耳聴くこと能わず。病は人の見えざるところに受けて、必ず人の共に見るところに発す。故に君子は罪を昭々(しょうしょう)に得ることなきを欲せば、先ず罪を冥々に得る」
肝臓を患うと目が見えなくなり、腎臓を病むと耳が聞こえなくなります。このように、病気というものは、まず人に見えない体の内部から起こって、やがて誰にでも見える体の外部にも現れてくるものです。だから、誰も見ていないからといって、悪いことをしたら、それがきっかけとなって大きな罪につながる恐れがあります。悪い心は必ず表に現れるそうです。
昔は、親から「お天道様が見ているよ」と言って注意されました。誰も見ていないからといって、悪いことをしたらばちがあたるという戒めです。自律・慎独ですね。日本人とは、素晴らしい民族でした。今の日本は「怖いおじさんに注意されるから、やめときなさい」です。他律ですね。
シンギュラーポイントというアングロサクソンの言葉があります。普段良いことをしていても、慎独をしていない人は、いつかなにかの時点で、積み重なった悪いことが一気に出てくる、その点を「シンギュラーポイント」といいます。もちろん逆もあります。普段から善行を積み重ねていると、いつかの時点で必ずそれが芽を出すということです。
俺はどっちかな~。慎独、事上磨錬って大切だな。
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