マルチ・モチベーション

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 前回の最後の部分の記述です。

 「では、「内発的―外発的動機づけ」と「個人的―集団的動機づけ」の二つは、どういう風に結びついて、どのように組織の活性化に活用していけばいいのでしょうか。次回以降それを解説していきます。」

 今回はそれを解説します。


1.内発的モチベーションが高く、集団的モチベーションが高い組織

 この組織は、「理念モチベーション組織」と言います。対人志向も仕事志向も高い理想的な組織です。現在の状態をさらに高めるために、細かいことは規定せずに伸び伸び働ける評価・処遇制度を構築するといいでしょう。

 モラールとモラルは違います。モラールというのは、モチベーションと同義語です。モラルというのは、人と人との付き合いにおいて、自分勝手なわがままを許さず、最低限のルールをきちんと守ることです。「モラールを引き出すことには大らかで、モラルを守る部分は厳しく」が大切です。でも、経営においてよくありがちなのが、仕事の意思決定などモラールを引き出さなければならない部分において、やたら細かく指示したりうるさくいっているくせに、モラルの部分はあまりこだわっていないことです。こういう組織は、社員が裏でコソコソ陰口を言ったり、動いたりする、「御殿女中組織」となってしまいます。

 特にこの状態の組織で、こんなことをやってしまったら、まさしく学級崩壊の構図になってしまいます。モラールには寛大に、モラルには厳しくしてください。

2.内発的モチベーションが高く、個人的モチベーションが高い組織

 つまり、仕事志向性が高く対人モチベーションが低い組織です。こういう組織で働きやすいモチベーションが、「職務モチベーション」です。人のことはどうでもいい。でも、仕事が好きなので、自分の仕事はきちんとやりたという傾向が強いのです。こういう組織には、仕事をより充実させると共に、徐々に集団的モチベーションを引き出す評価・処遇制度を構築します。

3.外発的モチベーションが高く、集団的モチベーションが高い組織

 対人志向性は高いが、仕事志向性が低い組織です。「みんなで仲良く、でも仕事はほどほどに」という傾向ですね。対人モチベーションが非常に高くなります。対人モチベーションを維持するために、人と人との関わりやルールを重視すると共に、理念モチベーションへステップアップするために、仕事志向性を促す評価・処遇制度を構築します。

4.外発的モチベーションが高く、個人的モチベーションが高い組織

 対人志向性も仕事志向性も低い組織です。こういう組織は、「報酬モチベーション」が高くなります。組織とはお金のつながりだという意識が強い組織です。最も危険な組織です。最近ありがちですね。報酬面での評価を打ち出しながら会社の戦略に基づいて、「理念」「対人」「職務」のどの方向へ社員を導いていくかを決めます。その方向性にマッチした評価・処遇制度を構築します。

 さて、あなたの会社はどこに位置していますか? 次回はこれまで実施した例を紹介しましょう。

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このページは、宝徳 健が2011年6月 1日 08:20に書いたブログ記事です。

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