Eグループの具体的導入

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 このシリーズは右のカテゴリー「心理学」に格納されています。

 「Eの必要性」→「Eとは何か」を解説してきました。前回から、その次の段階「Eグループの具体的導入」に入ます。

 Eは、グループで行います。グループで、前回申し上げた自らの自己覚知・自己開示・自己主張・他者受容・信頼感・役割遂行を作り上げ、健常者をより活性化させていきます。  まったく知らない人が集まってEグループを形成し、Eを開始するとします。

 まず最初にオリエンテーションが必要になります。オリエンテーションは5つで構成されています。①目標、②目標達成のための方法、③メンバーのルール、④リーダーの役割、⑤リーダーの自己紹介です。
 
 今回は、この中の①目標を解説します。
 目標が大切なことは企業経営でも同じことですね。目標と、そして、目標設定の理由である「目的」も説明する必要があります。

 Eにおける目標とは「行動変容」です。では、その目的は何か。「深いレベルでの人間関係を持つため」です。本音と本音が触れ合うような行動をとることができるようになることが目的です。

 心理学の言葉に「自他の感情に気づけ。気づいたらそれらを満たすように行動せよ」というものがあります。

 たとえば、世の中には「ノー」と言いたい自分に気づかない人がいます。本音では「ノー」と言いたいのだと気づけ、気づいたら「ノー」と言ってみよ、といいます。ノート言ってみて人の心を傷つけるなら、傷つけないような言い方を工夫する必要があります。試行錯誤が必要になります。Eグループは試行錯誤する場であり、試行錯誤を通して自分の新しい行動パターンを産み出す場です。

 では、それができるようになるためにはどうすればいいのでしょうか?自分にはどんな感情や欲求があるのか、それを満たすために、自分はどんな行動を今までとってきたか、その結果はどうであったかにまず気づく必要があります。そこで、自己洞察せずにはおれない状況をEグループの活動中に人工的に作ってしまいます。これが、Eグループのエクササイズになります。

 気づいたらそれを変容しなくてはなりません。そのためには、今までの自分の行動以外にもさまざまな行動の仕方があることを知る必要があります。そこで、人の行動を観察し模倣できるものは模倣します。独力で新しい行動を創造するためには、さまざまな行動の仕方を見聞することが大切です。見聞し、気に入ったものがあればそれを取り入れます。

 これは一人ではなかなかできません。人間は、自分のことに気づくことを極度に嫌います。また、深層心理でそれを避けます。

 たとえば、本を読んでいて、何かに気づいたときに「アー、兄人にはこの傾向があるな」とか「アー、あの人はこれを参考にしたらいいな」と思うことが多々ありますが、それを自分に置き換えることをなかなかしません。

 ですから、健常者の集まりであるEグループでの、さまざまなメンバーと触れることが大切になります。

 次に、行動して変容を願うなら、実際に新しい行動を自分でトライしてみることが大切です。トライしてみて、Eグループのメンバーに不評を買わなければ、それをどんどん続けていくことです。これが試行錯誤です。現実生活では、カウンセリングが必要な健常者以外の人もいますので、なかなか新しい行動はとりにくいものです。だから、Eグループで取り入れて生きます。

 こうやって、目標→気づき→行動の仕方を知る→行動変容のために行動する をまず行うことが目標に向かって歩き出すことになります。

 次回は、Eグループのルールを解説します。

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このページは、宝徳 健が2011年6月11日 10:06に書いたブログ記事です。

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