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えっと、どこまで書いたっけ? このBCPというのは、深めれば深めるほど、経営の役に立つことが分かります。でも、地域によって、企業の感覚が違うのも面白いですよ。関東の企業からはとても問い合わせがたくさんあります。「やりたいけど方法が分からない」「必要だけど、つい、後回しにしてしまう」だから、話を聞かせてくれ、やってくれというものです。
関西の企業の多くは「必要性がわからない」「その時になればなんとかなる」です。地域柄と言うのは面白い。
福岡は、地震というものが少ないので、いまいちぴんと来ないみたいです。地震だけが災害じゃないのですけどね。
そうだ、今日はBIAについて書きます。
BIAとはビジネスインパクト分析(事業インパクト分析)の略です。
「復旧」は時間との戦いであり、何よりも緊急性や優先性の発想が求められます。守るべきものはどの経営資源か、先に復旧すべきはどの業務機能かを明らかにする必要があります。その作業を合理的かつ的確に行うのが「ビジネスインパクト分析(BIA)」なのです。
ビジネスインパクト分析で収集する情報は5つあります。
① 重要業務
BCPにおける「重要業務」とは、生産部や経理課といった部課機能のことではなく、個々の部署が受け持っている様々な業務の中でも、BCPの適用対象となる製品やサービスの供給・運営に不可欠な機能を指します。例えば、製造ラインや受注・出荷業務、カスタマーサービスなどが当てはまりますが、運営維持機能としてのITや経理部などの業務も含まれます。
② 目標復旧時間(RTO:Recovery Time Objective)
復旧作業に取り組む社員やそれを見守る社長の胸中には「早く業務を再開しないととんでもないことになるぞ」といった切迫した危機感があります。その「とんでもないことになる」時期を特定したのが目標復旧時間です。いつまで業務中断が許されるかを推定したタイムリミットのことです。この指標を使用するにあたっては、前もって定義を明確にしておく必要があります。
③ 復旧緊急度(復旧優先順位)
原則として目標復旧時間の小さい順に重要業務を並べ変えたときの並び順が、中断した業務の復旧緊急度または復旧優先順位となります。復旧緊急度が高いほど、つまり目標復旧時間が短いほどその実現のための対策コストは高くなります。
④ 経営資源
顧客対応業務を例にとると、この業務に必要な宰相人員は3名、2年以上の経験が必要、電話とパソコン、Eメールを使用、顧客情報の呼び出しと更新に○○データベースが不可欠・・・のように「その業務機能を維持するために必要な人員、ツール、設備等」を指します。BIAで調査する経営資源は、会社が所有するすべての業務資産ではなく、基本的には「最低要件を満たす要素」です。
⑤ 依存先
製造業などでは、原材料や部品の仕入先、納入先など上流や下流との関係で必要不可欠とされる要素を指します。サプライヤーやベンダーと呼ばれる業者も依存先に含まれます。BCPでは、こうした依存先とのやり取りが途絶えた場合も想定しなければなりません。依存先は外部だけとは限りません。工場の在庫管理業務が本社からの出荷指示を待たなければ動けない場合、在庫管理業務の依存先は本社の注文処理業務ということになります。
BIAで、企業それぞれのインパクトを分析することとなります。この分析の仕方にいろいろノウハウがあるのですが。
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