マルチ・モチベーション

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 さて、これまで、マルチ・モチベーションの内容を述べてまいりました。では、なぜ、このような分析が必要になっているのでしょうか?
 ITが発達し、人は、店舗を介さずとも物を変えるようになりました。POSが発達し、スタッフはお客様の名前を覚えなくても、商品の売買ができるようになりました。

 私の最初の職は、ガソリンスタンドです。当時のガソリンスタンドはPOSがありませんでした。お客様の名前と顔は完全に一致していましたし、その客様がいつ何を購入されたかはだいたい頭に入っていました。

 営業職の時には、お客様の店舗の電話番号はすべて頭に入っていました。携帯電話が出てきて、今は、息子の携帯番号も覚えていません。

 人間、便利になってしまうと、こんな風になるのですね。

 商売が、工業化してしまったのです。また、ITが発達したことにより、人と人とがかかわりを持たなくても、生きていけるようになりました。悲しいことですね。だから、同じ会社で働く社員同士のかかわりもどうしても薄くなりがちです。

 仕事とは「協働」が欠かせません。その意識が低くなっているから、日本の企業は生産性が低下してしまいました。市場では安売り競争が激化します。牛丼なんて、私の学生時代よりも安くなっています。

 これからの日本は、高価格市場を形成する必要があります。その高価格を買える消費者をつくるために、企業は高生産性の職場作りを行って、高い賃金を払う必要があります。低価格市場はいずれ経済を行き詰まらせます。

 高生産性の職場を作るためには、「対人モチベーション」や「報酬モチベーション」だけが働いていてはだめなのですね。おっと、誤解が生じますね。ここでいう対人モチベーションとは「切磋琢磨」ではなく、「みんな仲良く」です。弱い人間が傷をなめあうように集まっても、職場は強くなりません。「職務」「理念」に対してのモチベーションを向上させ、「自分は社会のために役立っているのだ」という職場を作ることです。これをQWL(働く質の追求:クオリティ・オブ・ワーキング・ライフ)とMOW(働く意義の追求:ミーニング・オブ・ワーキング)と言います。

 そのために、マルチ・モチベーション分析があります。組織のことがとても奥深くまで分かります。

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このページは、宝徳 健が2011年7月22日 10:27に書いたブログ記事です。

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