【第四十四号:コト】
今月号の「本の紹介」の欄で、「コトづくりのちから 常盤文克著 日経BP社」を紹介させていただいています。その本の冒頭で、以下の話が紹介されています(ここでは紙面の関係上かなり編集しています)。
「ある旅人が小さな町を歩いていると三人の職人がレンガを積んでいた。一人の男に「何をしているのか」と尋ねると、「レンガを積んでいる」と答えた。次の男に同じ質問をすると「家を造っている」と答えた。三人目の男に尋ねると「新しい町をつくっている」と答えた」
私たちは、仕事をしていくときに、目の前の事象そのものが「目的」になってしまうことが多々あります。「お金儲け」「営業活動」「生産」「財務」等々。まさに、「レンガを積んでいる状態」です。
レンガを積んでいる作業を、「新しい町をつくる」というように、仕事に志を持ち、組織において、一人ひとりの持つ潜在的なエネルギーを引き出し、集団の活力を飛躍的に向上させる「コト」づくりが必要だと常盤氏は説きます。
戦後、欧米の経営システムが導入され、左翼思想がはびこる中、日本がもともと保有していた「家」「国体」というすばらしい価値観を基本とした、まさに「コト」が失われてしまいました。
日本が再興するには、政治システムや経営手法や経済政策ではなく、この本来有していた日本人の価値観を取り戻すプライオリティの方がはるかに高いのではないでしょうか。
これが、今回のタイトルを「コト」とした理由です。
今月号もお楽しみください。記事がたくさんありますので、興味のあるところからお読みいただいても結構ですし、興味のあるところだけお読みいただいてももちろん結構です。
感謝合掌
平成二十三年七月吉日
株式会社 経営戦略室
代表取締役 宝徳 健
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