BCP(事業継続計画)

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 2週間ぐらい書かなかったテーマですね。すみません。
 
 「BCPなんて、いつ起きるかわからないことにお金をかけられない」「そのときになったらなんとかなる」という声をよく聞きます。
 まず、最初のご意見。BCPが進んでいる欧米では、この質問はナンセンスになっています。BCPを策定し、BCMを実行している企業は株価も高く収益も好調となっています。なぜか、インシデント(緊急事態)に対して、きちんと対応するために、BCPを全社で作成し実行すると、社員の考え方とビジネスプロセスがかなり改善されるそうです。 BCPをつくっておしまいという会社は別ですが。

 次の質問。では、今回の東日本大震災の石油業界を例にとってみましょう。BCPは策定されていたのでしょうが、BCMがなされていなかったことが、石油連盟のHPをみてもわかります。

 「我が業界は、生産・物流を○日で復旧させた」としていますが「RTO(後ほど解説) ○日に対して○日で復旧させた」とはなっていません。また、おそらく、自社のBCPだけを策定していて、ガソリンスタンドという末端のサプライチェーンを含んでいなかったため、ガソリンの生産ができ、運べるようになっても、お客様には十分いきわたりませんでした。自分たちは「いざというときに何とかなった」のですが、結局お客様に迷惑をかけてしまいました。

 また、石油連盟の天坊会長(現出光興産会長)が「製品は十分にあったのに、資源エネルギー庁が、「足りなくなると困るから作れ」というから作った」と言ってます。この業界は、自由化が進み、官庁の利権がなくなったので、資源エネルギー庁に石油政策を真剣に考える人がいなくなっています。でも、この天坊会長の発言を間違いです。あらかじめBCPを策定していれば、資源エネルギー庁に説明できたはずです。リスクマネジメントが進んでいるアングロサクソンの経営者ならこういう無責任な発言はしないでしょう。

 おかげで、4月は石油製品が市場で余りすぎてしまい、市場価格がとても安くなり、逆に、末端のガソリンスタンド経営を圧迫してしまいました。誰も責任をとりませんが・・・。

 さて、今日の本題のRTOですね。

 Recovery Time Objectiveです。日本語では目標復旧時間。インシデント(緊急事態)が起きて、企業が生き残るために、重要事業・製品・サービスの提供が再開されるまでの目標時間です。BCPにおいて、非常に重要な概念です。

 もうひとつMTPDという言葉がありますい。最大許容停止時間です。製品・サービスの提供が再開できない場合に、組織の存続が決定的に脅かされるまでの時間です。

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このページは、宝徳 健が2011年8月28日 07:00に書いたブログ記事です。

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