兄弟姉妹の代襲相続

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 これもある方から質問があったものです。最近、相続案件が増えてきました。

 相続は、発生してからだと対策が難しくなることが多いなあというのが正直な感想です。企業承継と併せて、事前に対策を練っておくことがとても大切です。特に、企業承継では、絶対の条件になりますね。
 まずは、相続権の話から。
①配偶者は常に相続人になります。余談ですが、配偶者は1億6千万円もしくは法定相続分までは相続税は無税になります。
②配偶者と子がいれば、配偶者と子だけが法定相続人になります。
③配偶者に子がいずに、被相続人の親がいる場合は、配偶者と親が法定相続人になります(親は1/3)。
④配偶者に子がいずに、被相続人の親もいない場合には、兄弟が法定相続人になります(兄弟は1/4)。
⑤配偶者が亡くなっていて、子供がいるときは、親には法定相続分はありません。
⑥兄弟は、子・親がいないときにのみ法定相続分が発生します。

 では・・・。

 兄弟姉妹が相続人になる場合で、問題になるのが代襲相続(だいしゅうそうぞく)です。兄弟姉妹が、被相続人より先に亡くなっている場合が、代襲相続です。この場合、兄弟姉妹に子供がいれば、子供が相続人になります。被相続人からみれば、甥、姪にあたります。


 さらに、この甥、姪も被相続人より前に亡くなっている場合に、更に代襲相続で、これを再代襲相続といいます、この再代襲相続で、甥、姪の子供が相続人になるでしょうか。

 答えは、相続人になりません。

 被相続人の子供が、被相続人より先に亡くなっている場合、その子、孫は相続人になります。孫もすでに亡くなっている場合は、ひ孫が相続人になります。

 このように、直系卑属では、被相続人から直線的にずっと下りていきます。直系卑属では、再代襲によって相続権があります。

 ですが、被相続人の兄弟姉妹の場合は、甥、姪(傍系卑属)のところで止まって、更に下には行きません。このように、兄弟姉妹の場合、甥、姪の子供には、再代襲によって相続権がありません。

 これは、被相続人が昭和56年1月1日以降に亡くなった場合に適用されます。これに対して、昭和55年12月31日以前に、被相続人が亡くなった場合、再代襲相続によって、被相続人のひ孫と同様に、甥、姪の子供にも相続権があります。この違いは、この日を境にして民法が改正施行されたからです。

 このように考えてくると、登記名義人の亡くなった日が、例えば、昭和55年12月1日の場合、亡くなった当時、子供がいないときは、被相続人の兄弟姉妹の子供や孫も、相続人として考える必要があります。

 今日まで、相続登記をしていないとき、兄弟姉妹の孫まで相続人として考えなければならないとしたら、今日においては、兄弟姉妹の子供や孫同士での関係が希薄となっていることが考えられるので、相続財産の分配で、話しがまとまらなくなる可能性は、十分あります。

 そういう意味でも、相続が発生したときは、放っておかずに、相続手続きを行った方がよいでしょう。

 「相続税」の手続きが必要な方は全国で4%しかいません。でも、「相続の手続き」はしておきましょう。

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このページは、宝徳 健が2011年8月13日 10:23に書いたブログ記事です。

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