マルチ・モチベーション分析

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 マルチ・モチベーション分析には、三隅二不二という日本人によって開発された労務管理の理論で「PM理論」というものも含まれています。昨日IKさんの会社で行われたリーダーシップ研修にも少しその要素が組み込まれてました。

PM理論

 社会には様々な集団があります。学校という大きな集団の中にも学級があり部があり、会社の中にも課やチームがあります。家族も1つの集団です。このように人間が社会の中で生活していると、何かしらかの集団に属することになります。そして、集団には基本的にリーダーが存在します。会社には社長を筆頭に部長や課長、チームリーダーがいます。どのようなリーダーが良いリーダーかということを扱った、社会心理学をPM理論といいます。


 PM理論は集団機能という観点からリーダーシップの類型化を試みています。

 集団機能は一般に、P機能(Performance function:目標達成機能)とM機能(Maintenance function:集団維持機能)より成り立っています。

 P機能は、集団が生産性を高めるような働きをすることです。会社を例にとると、業績の芳しくない社員に対し、上司が叱咤激励することなどです。M機能は、集団のチームワークを強固なものにするような働きをすることです。例えば、飲み会を開いて日頃の労をねぎらうことなどです。PM理論では、この2つの機能の強弱によってリーダーシップを4つの類型に分類して評価します。4つの類型を下に表でまとめました。アルファベットの大文字はその面が強いこと、小文字は弱いことを示しています。

Pm型(P型)

仕事に対しては厳しいが、グループをまとめるのは苦手。

PM型

生産性を求めつつ、集団の維持にも気を配る。リーダーの理想像。

pm型

仕事に甘く、部下の面倒見も悪い。

pM型(M型)

部下の面倒見はいいが、仕事では甘い面もある。

 この4類型と集団効果については、様々な集団において実証的研究が行われ、以下のような結果が出されています。まず、集団効果の基準を部下の意欲・満足度、職場のコミュニケーション、事故の低発生率にした場合には、PM型>pM型>Pm型>pm型となるそうです。

 また、集団効果の基準を生産性とした場合には、短期的にはPM型>Pm型>pM型>pm型、長期的にはPM型>pM型>Pm型>pm型となるそうです。このことから、長期にわたって同じチームで何かに取り組む場合には、リーダーにはM機能が重要であることが分かりますね。

 もちろん分析や理論を学んでいくだけでは会社は活性化しません。これらを活用して、どのような社員の行動改革プログラムを、社員個々自信が達成していく環境づくりを経営者は行う必要があります。

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このページは、宝徳 健が2011年8月30日 08:19に書いたブログ記事です。

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