今朝8時のNHKの番組でBCPをやってました。どこかの教授だかが出て解説されていました。う~ん。ちょっと違うんだよね~。BCPと防災計画とはまったく違います。いっしょくたんにした番組でした。BCPと防災計画がどう違うかは、このシリーズの前の方の記事をご覧ください。
さて、クロネコヤマトのすばらしいBCPの続きです。
備えが十分でも、意思決定が遅れれば宝の持ち腐れになる。ヤマトがパンデミックに備えたBCPを計画停電に生かす判断を素早く下せたのは、指揮命令系統を整備できていたことが大きい。
震災発生後、ヤマトはすぐにBCPに沿って、主に被災地域での対応を担う対策本部を設置。社員の安否確認、荷物の保全、施設の保全、業務復旧という順序で対処し始めた。
さらに、震災から3日後の3月14日、ヤマトは事業継続を担う対策本部を新たに設けた。計画停電への対応はこの本部が一手に引き受ける。
新たに対策本部を設置した理由について筧部長は「東日本大震災は影響が広範囲に及んだため、対策本部が1つでは対処しきれないと考えた。被災地域の対応 に加えて、計画停電や燃料不足、社員の通勤困難、首都圏での物資不足という4つの事態に対処するには別に対策本部が必要だった」と説明する。
この4つの事態のうち、計画停電と並んで影響が特に大きいと考えられたのが燃料不足だった。宅配事業を展開するヤマトにとって、燃料不足は顧客に荷物を届けられないリスクを生む可能性があるからだ。
ヤマトは関連会社の力を結集し、事態の打開に動いた。ガソリンスタンドの管理・運営などを手掛けるヤマトオートワークスから、集配車両の燃料である軽油を優先的に調達できるようにした。
燃料不足は配達員の足にも影響を与える。というのも、ヤマトでは配達員の大半が車で通勤するからだ。
対策は2つ。1つは、配達員に通勤手段を公共交通機関や自転車などに改めるよう促した。車以外にどういった通勤手段が適切かを配達員が判断できるよう、自宅からの距離別に通勤手段の割合についての情報も提供した。
もう1つは、現場の判断で出勤先を最寄りのセンターに変えられるようにした。「権限を現場に委ねることで、上長に報告する時間を省け、事業への影響を最小限に抑えられると判断した。緊急時は調査・報告の手間を極力省くことが重要になる」と筧部長は話す。
事業継続を担当する組織を別に設けたことで、当初の対策本部は被災地域の復旧支援に力を集中できるようになった。3月23日に被災地域の主管支店傘下に 設置した、復旧支援の専門組織「救援物資輸送協力隊」が最たる例だ。岩手や宮城、福島の3県に集配車両を200台、支援人員を500人配置した。自治体や
自衛隊などと連携し、救援物資の仕分け作業や各拠点への輸送を支援している。
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