このシリーズは右のカテゴリー「和歌」と「SOEおすすめの本」に格納されています。
以前も紹介しましたが「たとへば君」という本があります。また、読み返しています。
以前も紹介しましたが「たとへば君」という本があります。また、読み返しています。
河野裕子さんと永田和宏さんというご夫婦の本です。河野裕子さんは2010年8月12日に乳がんで62歳の生涯を閉じられました。河野裕子さんと永田和宏さんは、学生時代に京都で和歌を通して知り合い、そして結ばれます。その数十年間で二人がやり取りをされた和歌が、生涯の物語とともに描かれた本です。とても素敵な本です。
たとへば君 ガサッと落ち葉 すくふやうに わたしを攫って 行つては呉れぬか
学生時代、河野さんは永田さんともうひとりの男性を愛してしまいます。二人の男性を愛してしまった気持ちをこのような和歌で詠んでいます。
この本を読むと、夫婦とはこのような強い絆で結ばれるものなのかという気持ちになります。ぜひ、お読みください。
では、拙首です。
貪瞋癡(どんしんち) これらの言葉 聴くたびに 己の過去を 恥ずかしく思ふ
貪(どん)とは、欲望をどこまでも満足させようとする欲求・衝動のこと、瞋は、欲望の満足されないときに起こる怒り、癡は、馬鹿のことです。あまり欲を出す目がくらんで物がわからなくなることです。
人間には、この三つがみんな備わっています。過去のある時期この三つの塊のような人間だった時期があります。恥ずかしくて仕方がありません。
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