今日は、前回の続きです。31.4億円の予算がついている、新事業活動促進対策のふたつめ。地域資源活用型です。J-NET21の記事を参考にしています。
有限会社まさごは、北海道浦河郡浦河町で古くから公衆浴場を営んでいます。平成8年(1996年)には、大久保社長の息子である専務が入社し、新た にラーメン店事業を展開して、近海で採れる最高級の日高昆布を使ったスープを使用したラーメンなど、特徴ある商品を提供しています。
公衆浴場事業や飲食店事業は、主に地元住民が顧客となり商圏が限られることから、人口減少が進む地域での売上げ確保には、一定の限界があります。そ こで、平成14年(2002年)からは、健康にこだわった「行者ニンニク餃子」や「道産たまねぎ餃子」といった餃子の製造販売事業を開始し、百貨店や通販 カタログ、インターネット販売などを通じて、全国各地の消費者に販売を行っています。
そういった状況の中で、同社は地域資源を活用した新商品開発を検討し始めました。同社では北海道産の食材、特に地元の地域資源となっている日高昆布 に注目しました。日高昆布は、体内でつくることのできないミネラルなどの栄養素や食物繊維などを豊富に含み、健康や美容に役立つ食品であり、同社が手掛け てきた健康にこだわった商品のコンセプトにも合致するからです。
また、同じく地域資源となっている高機能性たまねぎ「さらさらレッド」も活用することで、より健康および味にもこだわった餃子の新商品開発を進めています。
行者ニンニク餃子 | 開発中の日高昆布餃子 |
企業名 有限会社まさご | |||
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代表者名 | 大久保 克好 | 従業員数 | 7名 |
資本金 | 500万円 | 売上高 | 3,200万円 |
住所 | 北海道浦河郡浦河町堺町東1-11-1 | ||
電話番号 | 0146-22-2645 | ||
主要製品 | ラーメン店、餃子(冷凍)の販売 |
同社の専務が、社団法人北海道中小企業診断士会が旧・地域力連携拠点事業として行う経営相談窓口に訪れました。その際に担当コーディネーターが経営 課題の整理を行い、北海道の助成事業を活用するために、専門家派遣制度を利用して事業計画の作成、申請の支援を行うことになりました。
同社は開発に伴う助成金として北海道の「北海道中小企業応援ファンド助成金助成事業(地域資源活用型事業化実現事業)」に申請しようとしましたが、 申請に関する経験もないことから、事業計画の作成など専門家の支援が必要でした。そこで専門家派遣により、新商品開発に係る事業計画の作成および申請の支 援を行いました。
(1)まずは、事業の目的や意義について整理し、方向性を決定しました。
(2)つぎに活用する地域資源について、内容、認知度等の現状を調査し、地域資源の市場性・将来性について検証しました。
(3)それらを踏まえて、新商品の特徴や優位性についてのコンセプトを明確にしていきました。
(4)加えて、新商品開発および販路開拓に必要な事業費を積算しました。
(5)最後に会社の決算状況等も勘案し、中期的な事業計画をまとめました。
新商品の開発および販路開拓を具現化するために、北海道中小企業応援ファンド助成金助成事業(地域資源活用型事業化実現事業)の助成金を申請しまし
た。この制度は、競争資金となっていましたが、専門家の支援を受けて作成した事業計画のプレゼンにより、認定を受けることができました。
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