このシリーズは右のカテゴリー「和歌」に格納されています。
正岡子規の「歌よみに与ふる書」を現代語訳しています。今日から「四たび歌よみに与ふる書」です。
正岡子規の「歌よみに与ふる書」を現代語訳しています。今日から「四たび歌よみに与ふる書」です。
「拝啓。空論ばかりでは、読者にはわかりにくいと思うので、実例に基づいて評論してくれとのご意見があります。もっともです。実例と言っても、たくさんあるので、いずれを用いるか迷ったけれど、なるべく名高い歌よりやってもましょう。みなさんが気になる和歌なども教えてもらえればと思います。さて、人丸の歌を見てみましょう。
もののふの 八十川(はそうじがわ)の 網代木(あじろぎ)に いざよふ波の ゆくへ知らずも
という歌がよく引き合いに出されます。この歌、万葉時代に流行り、一気呵成の調にて、少しも野卑なところもなく、字句もしまりがあるけれども、全体から見れば、上三句は話になりません。「足引きの山鳥の尾の」という歌も前置きの詞が多いけれど、あれは前置き言葉が長いために、夜の長き様子が感じられます。でも、これは上三句も話にならない。この歌をよいものとするのはおおたわけである」つづく。
では、拙首です。
子規に学び 歌の真髄 知るたびに 己の歌の 稚拙さを知る
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