このシリーズは右のカテゴリー「和歌」に格納されています。
正岡子規の「歌よみに与ふる書」を現代語訳しています。「九(ここの)たび歌よみに与ふる書」のつづきです。
正岡子規の「歌よみに与ふる書」を現代語訳しています。「九(ここの)たび歌よみに与ふる書」のつづきです。
「 ほのぼのと 有明の月の 月影に 紅葉吹きおろす 山おろしの風(信明)
これも客観的の歌にて、けしきも淋しく艶なるに、語を畳みかけて調子をとっているところがとても珍しい。
さびしさに 堪へたる人の またもあれな 庵(い)を並べん 冬の山里(西行)
西行の心はこの歌に現れている。「心なき身にも哀れは知られけり」などの露骨な歌が世にもてはやされて、この歌などはかえって知らない人も多いのでとても悔しい。庵を並べんというがごとき斬新にして趣のある趣向は、西行ならではの表現方法である。特に「冬の」と置いているのも歌よみの中では尋常ではない方法を使っているといえる。後年、芭蕉が新たに俳諧を興したときも「庵並べん」などを導入し、季の結び方は「冬の山里」から導入したに違いないと思われる」
では、拙首です。
災ひから 一年を経て わが国は 善いと悪いが 映し出されし
政の 拙きことが 災いす 災ひによる 辛き方々
災ひを 通して天は 伝へしか 人の雄々しさ 人のあり方
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