このシリーズは右のカテゴリー「和歌」に格納されています。
正岡子規の「歌よみに与ふる書」を現代語訳しています。「九(ここの)たび歌よみに与ふる書」の最終回です。
正岡子規の「歌よみに与ふる書」を現代語訳しています。「九(ここの)たび歌よみに与ふる書」の最終回です。
「阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)の仏たちわが立つ杣(そま)に冥加あらせたまへ
とてもめでたい歌である。長句の用い方であるけれど、古今未曾有の歌であって、これを詠んだ人はさすがである(伝教大師 空海です)。この歌を勅撰和歌集に加えた人も勇気のある人だ。第二句十字の長句ながら成語なので、口ずさむとたまらず、第五句九字においては、ことさらすごいと思う。ここは九字ぐらいにするのであるが、もし七字句でとめていたら、上の句と釣り合いが取れなくなってくる。初めの句が字余りなので、後の句を字余りにする必要があることは多い。もし、字余りの句は少しでも少ない方がよいという歌よみがいたら、その人は趣のわからないひとだ」
阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)は般若心経に出てくる言葉です。玄奘三蔵が、釈尊の言葉として訳さなかったものが般若心経の中で、ふたつあります。そのひとつです。般若心経を唱和する国民が少なくなったのも残念です。
では、拙首です。
欲に負けず 仕事続けた 時間もち ああこの生き方だ 吾の生き方
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