不安との付き合い方

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 昨日の続きを書こうと思ったのですが、この記事の解説に、ちょうどいい新聞記事があったので、今日はそれを。昨日の続きは明日書きます。
 昨日の産経新聞朝刊にこんな人生相談が載っていました。

 「もう長い間付き合っている彼に結婚を申し込まれています。私も彼が大好きですが。結婚に踏み込めません。それは、彼の両親が離婚しているからです。両親が離婚している人は、自分も離婚する確率が高いと聞いているからです」

 「両親が離婚している人は離婚する確率が高い」=自分の思考≠現実です。

 両親が離婚している人は離婚する確率が高いというのは、その人が思っていることであって、現実ではありません。両親が離婚している彼が自分も離婚するというのは、まったく現実ではないからです。

 この思い込みの事を、イラショナル・ビリーフ(非合理的信念)と言います。

 私たちが学生時代、「メゾン一刻」という漫画がありました。ご主人を亡くして、若くして未亡人になった響子さん。響子さんはとても美人です。その響子さんの気を引こうと、五代さんと、もうひとりテニスのコーチ(名前を忘れました)が争います。響子さんは、二人ともまんざらではありません。でも、五代さんやテニスのコーチが、ちょっと他の女性と仲良くすると、「どうせ男なんて」と言います。でも、響子さんが「どうせ男なんて」と考える思考は、おかしいですよね。男=みんなそんな男というのは現実ではないからです。

 よく、一度何かを体験したら「あの人はこんな人」と決めつけたり、「これはこうだから、もう、二度としない」と考える人がいます。自分がどう考えても、他の人もその人をそう思っていることは絶対にないので、これは現実ではなく、自分の思考です。「これはこうだから」と考えることも同じです。そして、常にその人をそう思ったり、そのことを二度とやらなくなります。

 特に心配性の人は、この自分の思考にとらわれ過ぎて、どんどんどんどん、自分を不安に陥れていきます。そして、逆の意味で安心させていきます。結果は・・・。

 先ほどの女性に戻りましょう。問題なのは、この彼女は、結婚したら、ことがあるごとに、この「両親が離婚した人は、結婚したら離婚する確率が高い」思考を強めていきます。問題点が発生すると「離婚の原因になるのでは」と考えます。そして、自分が努力することなく、もし、この女性が離婚したら、「やっぱり」と相手の責任にします。

 会社でもそうですね。この仕事の要求は上司から与えられたものだから、「どうせ達成できない」と抽象的な表現の思考を広げ、イラショナル・ビリーフを積み重ねていきます。

 さて、明日は、これをどう考えたら、人間は解放されるかを解説します。

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このページは、宝徳 健が2012年6月 3日 05:02に書いたブログ記事です。

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