不動産の相続方法のひとつ

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 Aさんは、賃貸している土地を所有しています。土地の相続評価額はかなり高くなっています。ですから、贈与しようとすると贈与税もかなり高額になります。
 何かよい方法はないかと思い、Aさんは、知り合いの中小企業診断士に相談しました。
 
 
診断士「土地から得られる賃貸収入を得る権利と、それ以外の権利に分ける方法がありますよ」
A「そんなことができるのですか?」

診「はい、信託という方法を使えばできます」
A「信託?」

診「土地の所有権を有する人は、土地から得られる賃貸収入を受ける権利を有します。また、土地を売却した場合に売却代金を受領する権利も持っています。でも、所有権では、この二つを分けることはできません」
A「はあ」

診「土地を信託した場合には、土地の経済的価値である受益権を、収益を受ける権利とそれ以外の権利に分けることができます。前者を「収益受益権」「後者を元本受益権」といいます」
A「なるほど~」

診「Aさんの場合、たとえば、今後10年間の収益を受ける権利を信託を使って分離すればいいのです。それから、たとえば、今後10年間の収益を受けることができる権利をX、11年~20年目までの収益を受ける権利をYとして分離し、21年目以降の収益および信託終了時の元本を受ける権利をZとして分離することもできます。このばあい、受益権Xを奥さんに贈与し、受益権Yをご長男さんに贈与し、受益権Cはお孫さんに贈与することも可能です」

A「えっ?じゃあ、この固定化された土地の権利をいくつかに分離できるのですか?信託とはそんなに便利なものなのですか?」

診「そうですね。便利だからこそ、設計をしっかりと描かないといけません。さあ、もう少し詳しくお話ください。Aさんにとって最適なプランの二人で話し合いましょう」
A「はい!!!」

 民事信託は、とても応用が利く(特に相続・承継)ものなのですが、自由度が高いために設計能力が求められます。その課題を乗り越えれば、使いやすい制度です。

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このページは、宝徳 健が2012年7月18日 04:07に書いたブログ記事です。

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