幼い子供への贈与(民事信託)

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 Aさんが、お孫さんに財産を贈与しようとされています。幼い子供に贈与することは可能なのでしょうか?Aさんは、知り合いの中小企業診断士に相談しました。
A「生まれたての子供に対して財産を贈与することはできるのでしょうか?」
診「できます」
A「でも、幼い子供は贈与契約書にサインをすることができません。どうやったらいいか教えてください」


診「はい、民法では『贈与は当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾することによって、その効力を生ずる(民法549条)』とされています。ですから、幼い子供は同意することはできませんが、親が同意すれば、贈与を受けることは可能です。また、信託を活用するとこれがより効果的にできます。
A「はい。でも、私は息子夫婦とは仲が悪いのです。」

診「では、民事信託の方がいいですね。信託の受益者を孫にすることで、実質的には贈与したのと同様の効果を得られます。委託者と受託者をAさんにして、お孫さんを受益者にするのです。贈与の場合には、契約当事者は、贈与者と受贈者になりますが、信託の場合には、委託者と受託者で、受益者は契約当事者になりませんので、お孫さんの親、つまり息子さん夫婦の同意は不要です」
A「そんな方法があるのですね」
診「ただし、受益権の贈与に対して贈与税がかかるのでご注意ください」
A「どのくらいですか?」
診「受益権の評価は所有権の評価と同様です」
A「だったら大丈夫ですね。助かります。本当にありがとうごさいます」

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このページは、宝徳 健が2012年7月22日 08:02に書いたブログ記事です。

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