受益権の譲渡(民事信託)

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 こんな会話がありました。
「先生、ある人から受益権を譲渡により取得しようと思っているのですが、何か注意することはありますか?」
「はい、まず、信託契約等に譲渡制限がかかっていないかどうかを確認してください」
「わかりました。後は何かありますか?」

「そうですね。では、信託の仕組みを振り返りながら注意点を整理していきましょう。信託財産を管理するのは受託者です。委託者は信託事務に関する状況の報告を請求する権利を持っていますし、受託者の解任・辞任・信託の目的に反する変更について権利を持っています」
「はい」

「ですから、まったく第三者間で受益権の譲渡を行った後で、委託者および受託者が引き続き譲渡人の関係者である場合には、売買取引後の信託の運営が、受益権の取得者の意思通りに行われない可能性が出てきます」
「そうなんですね~」

「たとえば、新受益権者のあなたが、信託を終了させようとしても、委託者の合意が得られないため終了できないということも考えられます」
「それは困りますね」

「ですから、受益権の譲渡を行う場合には、委託者および受託者の地位の移転も行ってください」

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このページは、宝徳 健が2012年8月 1日 05:31に書いたブログ記事です。

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