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自己信託の続きです。
自己信託の続きです。
会社による自己信託の設定については、株主の利益を保護する観点から、会社法上の事業譲渡の規定が適用されます。対象事業が会社の「事業の全部または重要な一部」に該当するときは、株主総会の特別議決を必要とします。
今回のケースのX事業は、A社の路線バス事業の重要な一部に該当するので、株主総会の特別議決が必要となります。反対株主には、株式買取請求権が認められます。
自己信託による事業信託は、委託者と受託者が同一であることから、会社法上の事業譲渡とは異なり、信託設定だけでは、直ちに競業避止義務にはあたりません。しかし、委託者がその信託受益権を資金調達のために投資家に売却した場合などは、固有財産をもって信託事業と同様の事業を営むことは、受益者(投資家)の利益を害する競合行為として忠実義務違反が問われます。
また、事業会社が行う自己信託は「信託の引き受けを行う営業」には該当せず、信託業の免許は不要です。つまり、信託業法はクリアできるということです。でも、信託受益権を50名以上に取得させる場合には、内閣総理大臣への登録が必要とされ、一定の場合には信託会社と同様の規制にひっかかることになります。つまり信託業法が適用されるということです。 つづく
今回のケースのX事業は、A社の路線バス事業の重要な一部に該当するので、株主総会の特別議決が必要となります。反対株主には、株式買取請求権が認められます。
自己信託による事業信託は、委託者と受託者が同一であることから、会社法上の事業譲渡とは異なり、信託設定だけでは、直ちに競業避止義務にはあたりません。しかし、委託者がその信託受益権を資金調達のために投資家に売却した場合などは、固有財産をもって信託事業と同様の事業を営むことは、受益者(投資家)の利益を害する競合行為として忠実義務違反が問われます。
また、事業会社が行う自己信託は「信託の引き受けを行う営業」には該当せず、信託業の免許は不要です。つまり、信託業法はクリアできるということです。でも、信託受益権を50名以上に取得させる場合には、内閣総理大臣への登録が必要とされ、一定の場合には信託会社と同様の規制にひっかかることになります。つまり信託業法が適用されるということです。 つづく
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