どの本よりわかりやすい源氏物語 超初級篇

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 さてさて、今日から「雨夜の品定め」です。有名な場面です。

 登場人物として覚えておいていただきたいのは「頭(とう)の中将」です。あと二人出てくるのですが、超初級篇なので、AとBにしておきます。

 頭の中将は、左大臣の息子です。光源氏が左大臣の娘を娶っているので、光源氏の正妻とは兄弟ということになります。光源氏は、この正妻とあまりうまく行っていません。それはそうですよね。光源氏は藤壺に思いを寄せているのですから。正妻も自分が年上ということに引け目を感じて、引っ込みがちです。
 雨が続く頃、宮中に閉じこもっている光源氏のもとに、この頭の中将が尋ねてきます。頭の中将は、年頃も同じなので、学問も遊びもすべて光源氏をライバルと思っています(よい意味で)。光源氏は、妻とはあまりうまく行っていませんが、妻の兄弟であるこの頭の中将とはなぜか気が合います。今では、内緒ごとまで打ち明ける仲になってきました。

 頭の中将は、いつものように「おい、女からの手紙でも見せろよ」などと言っているうちに、自然に女の品定めになってきました。そこのAとBも現われて、話に拍車がかかります。四人とも世に聞こえた好色者です(笑)。

 これが「雨夜の品定め」です。どういう品定めをしたかは次回ね。

 えっ? 平安時代の男たちってひどいって? 

 人間が苦しみ悩む原因は自分の相対から生まれます。今と昔、よいか悪いか、生きるか死ぬか、内とあそこの家、元気と病気・・・、すべて相対です。

 本を読むのがへたくそな人は、「自分の考え方と照らし合わせながら読む人」です。「うん、これはわかる。これはちょっとね(まあ、左翼などの偏向書物はこれでもいいのですが)」などなど。本を読む秘訣は、心を虚しくして読むことです。素直に観じみることです。でないと、入ってきません。今の感覚で千年前の本を読むなんてそんなにくだらないことはありません。

 私は聖書もコーランも資本論も支那の古典もすべて素直に読みました。読んでいるときは楽しみながら。そして、読んだ後に、ごっくんと飲み込んで「あ~、これはまずい(おいしくないや)」と思ったものと「おいしいな~」と思ったものは「自分の判断」しました。読みもしないのに、また、自分との相対で読んだりして、批判・非難したりはしません。

 ましてや、学校で嘘の歴史を教えられ、自分で正しい勉強もせずに、それを受け入れるなんてとうていできるものではありません。
 
 源氏物語の頃にはその頃の背景があります。素直にそれに浸って、その時代の人間になりきるのも楽しいですよ。

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このページは、宝徳 健が2012年9月 6日 20:33に書いたブログ記事です。

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