どの本よりわかりやすい源氏物語 超初級篇

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 雨夜の品定めが終わりました。

 翌日は雨も晴れたので、源氏は久しぶりに正妻がいる左大臣邸に行きました。

 空蝉(うつせみ)という女性が出てきます。
 当時の人は、方角にとてもこだわっていました。左大臣邸は方角が悪いので、泊まることができません。そこで、方向を変えて、ある屋敷へ向かいました。この家には、主の若い後妻が来ています。(省略しますが)この後妻にはいろいろあって、その「いろいろ」が光源氏の心を動かします。後妻の名は空蝉。

 夜が更けてから、光源氏はそっと空蝉の部屋に忍び込みました。空蝉は抵抗しますが、結局光源氏と契りを結びます。

 主には内緒なので、夜が明けると光源氏は、その屋敷を去らなければなりません。有明の月影を踏んで家路につく光源氏は、空蝉との情事を思い出して、心が千々乱れます。

 その後はずっと光源氏は左大臣家にとどまりますが、空蝉とのことを忘れることが出来ません。よほど良い女性だったのですね。

 なんとか空蝉との仲を続けたい光源氏は一計を案じます。忍び込んだ屋敷の主に頼んで、空蝉の弟を近侍としてそばに置くことにしました。現代の感覚で言うと、なんとまあずうずうしいということでしょうか(笑)。

 そして、とうとうまた、空蝉のところに行くことになりました。でも、空蝉は決して会おうとしません。源氏はがっかりして、歌を一首送ります。意味は、そこにあるかと思って近づくと、見えなくなる帚木(ははきぎ)のようだという意味です。

 ですから、源氏物語では、この巻の名前が「帚木」となっています。昔の人は情緒がありますね。

※帚木
信濃の国の園原伏屋にあるある木。遠くから見れば箒を立てたように見えるが、近寄ると見えなくなるという伝説の木。

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このページは、宝徳 健が2012年9月10日 05:48に書いたブログ記事です。

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