どの本よりわかりやすい源氏物語 超初級篇

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 このシリーズは「どの本よりわかりやすい源氏物語」に格納されています。

 「日本を創った12人」という本があります。著者は堺屋太一さんです。上下巻があります。上はすばらしい内容ですが、下はあれれっという感じです。上下でなぜこんなに差があるのか不思議です。上が古代・中世の人物を紹介し、下が近代・現代の人物を紹介しています。これだけ古代・中世を正しく把握して、なぜ、近代・現代がこれほど曲がってしまうか。まあ、推して知るべしです。すばらしい「上」の中で、聖徳太子・源頼朝などと共に、光源氏が紹介されています。「あれっ、実在していないのに」と思いましたが、読んでいて納得しました。この選択肢は抜群です。日本がもっとも平和であった平安時代の生活が、源氏物語に見事に表現されており、そして、そのものの考え方、生活様式は、深く日本人の生き方に影響を与えたというものです。源氏物語をこのように評価した功績は今後も引き継がれるでしょう。

 「日本人の9割に英語はいらない」の著者は、成毛眞さんです。的確に日本を表現している割には、源氏物語を「ただの恋愛小説」と言っています。外資系に勤めればこういう風になるのですかね。

 さて、夕顔が亡くなってしまいました。
 夕顔が亡くなった後、夕顔の侍女は二条の院(光源氏の屋敷)に仕えることになったので、光源氏は、その女から夕顔の身の上を聞きだすことができました。

 雨夜の品定めを覚えていますよね? そのとき、頭の中将が話した女の一人が夕顔だったのです!!!! 頭の中将は夕顔に子供まで産ませていました。 その子を引き取りたいと光源氏は望みますが、なかなかうまくいきません。

 夕顔を殺したのは前皇太子の未亡人 六条の御息所の嫉妬なのかもしれませんね。女の嫉妬は恐ろしい。

 さて、そうこうしているうちに、空蝉の旦那が、「転勤するから空蝉を連れて行く」ことを告げに来ます。光源氏はもうがっかりです。光源氏は空蝉へ手紙や贈り物に添えて、それまで手元においてあった例の薄衣(うすぎぬ)を返します。

 つらいことばかりで、秋風がひとしお身にしむ思いの光源氏でした。光源氏は詠みます。

過ぎにしも けふ別るるも 二道に 行(ゆ)くかた知らぬ 秋の暮れかな

「亡くなったあの人も今日別れるこの人も別々に行方も知らぬ秋の暮れのわびしさよ」 つづく

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このページは、宝徳 健が2012年9月16日 05:50に書いたブログ記事です。

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