この記事は右のカテゴリー「和歌」に格納されています。
「武士の娘 杉本鉞子(すぎもとえつこ)著 ちくま文庫」という本があります。
「武士の娘 杉本鉞子(すぎもとえつこ)著 ちくま文庫」という本があります。
杉本さんの幼少のころからの人生が綴ってあります。江戸から明治になった時の昔の武士の娘へのしつけ、武士の娘の生き方、日本の家族主義の美しさが描かれています。
杉本さんは明治六年(1873年)に越後長岡藩の加藤の家に生まれ、武士の娘として厳格に育てられました。でも、本人はそれが当たり前と思っており、つらいなどとはまったく感じません。
結婚によりアメリカに住むようになっても、武士の娘として身に着けたものを失うことなく、また自分に閉じこもることなく、みごとに自立した考え方を身に着けます。
一読の価値がある本です。「快楽」や「過った個性」を植え付けられた私たち現代日本人が失ってしまった美しさがあります。日本は本当に美しい国だったのですね。
読んでいて、「ああ、偉いなあ」「これぐらいしんどい思いをしないと、よい習慣は身に着かないんだなあ」と思ってしまいます。同じ日本人でもえらく違います。
現代の私たちから見れば「ずいぶん窮屈な生き方だなあ」と思ってしまうでしょう。でも、それは過った教育を受けてきた私たちの主観の問題であって、客観的に観れば違います。世界が、かつての日本をほめたたえたことがよくわかります。
苦しみが 苦しみでなく なるために 慎み励み 己を鍛える
コメントする