初恋

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 朝からドキッとするタイトルですみません。私の初恋話ではありません。
 だいたい私は、若い時にまともな恋愛というものをしたことがありません(人を好きになったことは何度もあるが)。でも、島崎藤村の「初恋」を知ったときは、「いい詩だなああ」と思いました。中学校一年生の時と記憶しています。

 曲にもなっているんですよね~。

 島崎藤村の小説は、他の小説と違ってどれもドキドキしながら読みました。まだ若く、小説や作者の良し悪しがわかる前です。作家というのは、どこまでがプライバシーなのだろうかととも思いました。特に「新生」ですね。姪との情事が描かれています。びっくりしました。

 なつかしいなあ~。

<島崎藤村 初恋>
まだあげ初(そ)めし前髪の
林檎(りんご)のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛(はなぐし)の
花ある君と思ひけり

やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへ(え)しは
薄紅(うすくれなゐ)の秋の実に
人こひ(い)初めしはじめなり

わがこゝろなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を
君が情(なさけ)に酌(く)みしかな

林檎畑の樹(こ)の下に
おのづ(ず)からなる細道は
誰(た)が踏みそめしかたみぞと
問ひ(い)たまふ(う)こそこひ(い)しけれ


 この初恋が発表されたのが、明治二十九年(1896年)十月三十日です。百十六年前です。

 そうです。今日から始まる霜降 次候の頃です。秋の寂しさと初恋の詩。きっと明治の人々の心に染み入ったことでしょう。

 このことから、十月三十日は「初恋の日」となっています。ちょっと昔のことを思い出してみませんか。

誰にでも 心に残る 初恋は 幼き頃の あわい思ひ出 

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このページは、宝徳 健が2012年10月28日 03:15に書いたブログ記事です。

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