どの本よりわかりやすい源氏物語　超初級篇

　葵の生家である左大臣家は若君誕生を大変喜びました。その盛大なお祝いの様子を聞いて、六条の御息所の心はまた乱れます。

　左大臣家は一安心です。若君は健やかに育つし、光源氏も若君をとても慈しみます。不安であった葵の地位も安泰です。

　でも、葵の産後の肥立ちがよくありません。

　ある秋の日、左大臣家一家も光源氏も参内したあと、葵の容体が急変しました。そして・・・。亡くなりました。

　いずれ夫婦仲もよくなるだろうと思っていた光源氏は、このように短い縁で死に別れる人とわかっていたらもっと心を尽くしたのにと悔やまれて仕方がありません。四十九日の忌明けまで、二条の員に戻らず葵の霊をとむらいました。　六条の御息所の怨念かもしれませんね・・・・。女の嫉妬は恐ろしい。　　　　つづく