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光源氏が明石の君と戯れている頃、京の都ではたいへんなことになっていました。
光源氏が明石の君と戯れている頃、京の都ではたいへんなことになっていました。
帝は眼病を患いました。祖父にあたる太政大臣も長い患いの末この世を去りました。
源氏物語唯一の悪女 太后(おおきさき)も病床につきました。帝は無実の罪で光源氏が流謫の生活を送っていることをひどく心痛され京へ召喚することを望みましたが、光源氏のことが大嫌いな太后はそれを拒みます。
新年になっても、帝や太后の容態はよくなりません。帝は夢の中で故父帝に強く叱責されました。ついに決心し、太后の反対を押しのけて、光源氏を召し返す宣旨を下されました。もう七月になっていました。
いつかは京に帰ることはできるとは思っていた光源氏ですが、現実のものになるとうれしくて仕方がありません。でも、とても気に入った明石の浦を去る一抹の寂しさがありました。明石の入道はさびしくて胸がつぶれそうです。
そして、なんと明石の君はこの頃、光源氏の胤を宿していたのです。 つづく
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