どの本よりわかりやすい源氏物語 超初級篇

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 さあ光源氏と政敵の絵合による戦いです。

 殿上での絵合の日取りが決まると政敵は、天下の絵師を集め、新作におおわらわです。
 光源氏は、むしろ旧蔵する古い作品を選り整え、思うところがあって、自筆の須磨の絵日記も加えました。

 当日は、双方とも女御などおつきの者たちの衣装はもとより、調度の端々に至る迄、格別に趣向を凝らしました。

 次々に披露される絵はそれはそれは素晴らしいものばかりで、優劣がつけがたくなりました。最後に、梅壺が光源氏の須磨の絵日記を出しました。あわれ深い海辺の景色と、ところどころに散らされた歌も日記も見る人の涙をそそらずにはいられませんでした。梅壺&光源氏連合軍の勝ちです。

 それからしばらくは、宮中では、絵合の評判でもちきりでした。光源氏は絵合で出した絵日記を藤壺に献上しました。

 梅壺に肩入れする光源氏を見て、帝は心配でなりません。

 すべてが満ち足りた光源氏ですが、すべてが意にかなうほど、忍び寄る無常の影に心がゆすられます。光源氏は、身の程を過ぎた栄華に奢ることなく、寺を建立したり仏像や経典を納めたりするのでした。

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このページは、宝徳 健が2012年12月21日 11:05に書いたブログ記事です。

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