メディアと官僚と政治家と欧州に騙されない経済学

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 LIBOR(ロンドンインターバンク市場)の不祥事が連日報道されています。世界の金利を牛耳ってきたロンドンはこの不祥事で、大英帝国時代からの金融センターの地位を失墜させました。

 自國にお金が集まらなくなった、どこかの大國が、金融センターを取って代わろうとしている構図が透けて見えますね。

 2011年8月2日、金融市場が見守って入ることがありました・アメリカの債務上限引き上げ問題です。その頃、欧州債務危機もスペイン、イタリアと飛び火し、EFSF(欧州金融ファシリティ)が資金不足を起こすのではないかという疑心暗鬼が、イタリア国債の大暴落を引き起こしました。
 資金がスイスフランに逃げました。スイスフランが最高値を更新し続けました。投機筋が資金をスイスフランに避難させた結果です。どんどんスイスの銀行にお金が貯まりスイスはどうしようもなくなりました。マイナス金利にするわけにもいきません。

 スイスフランは仕方がなく、2011年8月12日にユーロとのペッグ制を導入しました。シカゴ先物相場も通貨取引の際のスイスフランの証拠金を43%引き上げました。

 投機筋は、スイスフランから撤退しました。

 これまで円とスイスフランは「避難通貨」として選好されてきました。でも、これらの一連の動きで円はスイスフランとは少し違う通貨になりました。

 ここをよく理解していないと、メディアと官僚と政治家に騙されます。次回をお楽しみに。


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このページは、宝徳 健が2013年2月 9日 05:06に書いたブログ記事です。

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