どの本よりわかりやすい源氏物語 超初級篇

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 2月21日以来です。玉鬘に言い寄る男にいたずらする光源氏からです。
 しとしとと五月雨の降る夕暮、光源氏は、かねて玉鬘の大櫃をしている侍女を召しました。玉鬘に言い寄る貴族に、わざとねんごろな文を書かせました。

 その貴族は天にも昇る気持ちです。玉鬘のもとに忍んできました。光源氏は貴族の席をいたずらしやすいところにしつらえて、玉鬘に対面させることにします。玉鬘は光源氏に促されて、おずおずと出てきました。

 チャンスとばかりに貴族は熱心に玉鬘をくどきます。光源氏が近くにいる玉鬘ははっきりと答えることもできません。物陰に隠れている光源氏は、頃合いを見計らって出てきました。その時、袖に隠し持っていた蛍をさっと放ちました。青白い蛍の一瞬の光に映し出された玉鬘の姿は、たとえようもなく楚々として可憐です。この玉鬘の面影は、貴族にますます玉鬘への思いを深くさせてしまいました。

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このページは、宝徳 健が2013年3月 3日 06:19に書いたブログ記事です。

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