どの本よりわかりやすい源氏物語 超初級篇

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 このところ、光源氏は玉鬘にご執心です。

 宮中では端午の節句を迎えていました。
 六条の院(光源氏と女性たちの宮中での住まい)の女君たちは、絵物語につれづれを慰めて、端午の節句の頃の長雨を凌いでいます。

 明石の君は、絵物語に造詣が深く、見事な物語を姫君たちに贈っています。

 今まで、そうした物に親しむ機会も乏しかった玉鬘は、物珍しく明け暮れ、物語に熱中しています。御殿の仲は何処に行っても草紙類が取り散らしてあります。玉鬘の元を訪れた光源氏は、そこで物語論を説きます。

「物語というものは、この世にあることを書き残したには違いないが、正史としての日本紀などは、ほんの一面を伝えるに過ぎない。むしろ、これらの物語類の仲にこそ、物の道理・人生の真実が写されていよう」

 光源氏によれば物語は智慧のこよない泉なのです。でも、一方、こんな偉そうなことを言いながら、光源氏は、物語中の主人公と今の自分を巧みにすり替えて、玉鬘を口説きます。なんちゅうやっちゃ。

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このページは、宝徳 健が2013年3月 6日 08:00に書いたブログ記事です。

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