私は紛れもない、経営コンサルタントです。では、なぜ、経営コンサルタントのブログに経営の事があまり書かれていないのか。この手の質問はよく受けます。
以前は、経営の事もよく書いていました。しかし、ある時からスタンスが変わりました。
以前は、経営の事もよく書いていました。しかし、ある時からスタンスが変わりました。
戦術を論じるなら、手法とかプログラムでこれがよかったとか書けるのかもしれません。世の中の本にも「こうやったら業績があがる」というものはたくさんあります。それらの法則は大変魅力的に聞こえるのですが、役に立ったためしがありません。
戦術は戦略の中で行われます。戦術だけが先行した経営(緊急事態に対症療法をしなくてはならないときは別)は、必ずダメになります。もちろん、戦術論はコンサルとして知っておかなくてはなりませんが、そんなものは、たとえ未経験の者でも、ちょっと勉強すればすぐに取得できます(これが出来ないコンサルはだめ)。
では、戦略とは何か。さまざまなコンサルタントや学者が経営戦略をうまく行かせる本などと書いていますが、この方たちは、経営や戦略をサイエンスとしてとらえています。つまりA+B=Cと。こんなことはありません。経営環境が変わるたびに、それらのサイエンスを活用していては、経営者の目が回ってしまいます。
では、経営者の勘でいいのか。否定しませんが、限度があります。
経営者や戦略は、経営者の一種の芸術です。芸術に答えはありません。経営や戦略を練るときに「何が必要か」を考える前に、「どう考えるか」が必要です。つまり「考える」。
経営者は常に「考える」必要があります。必要があるというか、それが仕事のほとんどだと言っていい。経営や戦略が芸術だとしたら、それを担当する部署など会社の中にないからです。常に、考え付く外部環境に目を配り、保有する経営資源をどう統合させていくかに思いめぐらせるのが経営者の仕事です。
私たちコンサルタントによくある失敗は、この経営者の芸術性を考えず手法やプログラムを提案してしまうことです。そして、最適を見ずに、最良を提案してしまいます。
例えば企業再生。今、金融円滑化法終了に伴い、金融機関さんとのお付き合いが深まっています。再生依頼を沢山いただきます。再生の仕事はデューデリジェンスから入ります。企業の人間ドッグだと思ってください。そこでさまざまな事実が明らかになります。
次にやるのが実抜計画と言います。つまり再生可能な計画を作成します。サインエンスであるデューデリジェンスからいきなり芸術の経営に入っていくわけです。
ここで失敗します。原価をこうやって引き下げるとかそんな手法じみたことはどうでもいいのですが、計画を作成するときに、コンサルタントが計画を作成してしまい、経営者の芸術性を無視します。もちろん再生は、緊急事態なので、ある程度は仕方がないでしょう。でも、企業の過去・未来・現在を考えた時に、この計画の作り方では、経営は短期間で頓挫します。
会計系のコンサルタントが作る実抜計画はまさにこのケースがほとんどすべてと言っても過言ではありませんし、私たち事業系のコンサルタントが作る実抜計画もこのケースが多々あります。
経営者の仕事は「考える」ことなのに、そこに不要な情報を入れないため、また、経営及び戦略は芸術であるのに、それを邪魔にするサイエンス情報だけを提供したくないこと、この二つが私がこのブログに経営の事を「あまり」書かない理由です。
経営者の判断に役立つ「歴史」「古典」「経済情勢」「我が國の動向」がこのブログに多い理由です。
戦術は戦略の中で行われます。戦術だけが先行した経営(緊急事態に対症療法をしなくてはならないときは別)は、必ずダメになります。もちろん、戦術論はコンサルとして知っておかなくてはなりませんが、そんなものは、たとえ未経験の者でも、ちょっと勉強すればすぐに取得できます(これが出来ないコンサルはだめ)。
では、戦略とは何か。さまざまなコンサルタントや学者が経営戦略をうまく行かせる本などと書いていますが、この方たちは、経営や戦略をサイエンスとしてとらえています。つまりA+B=Cと。こんなことはありません。経営環境が変わるたびに、それらのサイエンスを活用していては、経営者の目が回ってしまいます。
では、経営者の勘でいいのか。否定しませんが、限度があります。
経営者や戦略は、経営者の一種の芸術です。芸術に答えはありません。経営や戦略を練るときに「何が必要か」を考える前に、「どう考えるか」が必要です。つまり「考える」。
経営者は常に「考える」必要があります。必要があるというか、それが仕事のほとんどだと言っていい。経営や戦略が芸術だとしたら、それを担当する部署など会社の中にないからです。常に、考え付く外部環境に目を配り、保有する経営資源をどう統合させていくかに思いめぐらせるのが経営者の仕事です。
私たちコンサルタントによくある失敗は、この経営者の芸術性を考えず手法やプログラムを提案してしまうことです。そして、最適を見ずに、最良を提案してしまいます。
例えば企業再生。今、金融円滑化法終了に伴い、金融機関さんとのお付き合いが深まっています。再生依頼を沢山いただきます。再生の仕事はデューデリジェンスから入ります。企業の人間ドッグだと思ってください。そこでさまざまな事実が明らかになります。
次にやるのが実抜計画と言います。つまり再生可能な計画を作成します。サインエンスであるデューデリジェンスからいきなり芸術の経営に入っていくわけです。
ここで失敗します。原価をこうやって引き下げるとかそんな手法じみたことはどうでもいいのですが、計画を作成するときに、コンサルタントが計画を作成してしまい、経営者の芸術性を無視します。もちろん再生は、緊急事態なので、ある程度は仕方がないでしょう。でも、企業の過去・未来・現在を考えた時に、この計画の作り方では、経営は短期間で頓挫します。
会計系のコンサルタントが作る実抜計画はまさにこのケースがほとんどすべてと言っても過言ではありませんし、私たち事業系のコンサルタントが作る実抜計画もこのケースが多々あります。
経営者の仕事は「考える」ことなのに、そこに不要な情報を入れないため、また、経営及び戦略は芸術であるのに、それを邪魔にするサイエンス情報だけを提供したくないこと、この二つが私がこのブログに経営の事を「あまり」書かない理由です。
経営者の判断に役立つ「歴史」「古典」「経済情勢」「我が國の動向」がこのブログに多い理由です。
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