器量と度量(五月三十一日の日誌)

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 前総理大臣がよく古典の言葉を引用していました。でも、ことごとく使っている意味が違っていました。いったい、松下政経塾と言うのは何を教えているのでしょうか?
 易経を学べば(私などまだど素人ですが)、陰と陽の両方が大切なことがわかります。

 器量と度量もそうです。器量は陽です。度量は陰です。

 器量は、今の立場や地位に応じて自分の才覚を発揮することです。度量とは、受け入れることです。まさに陰です。

 両方大切なのですが、若いうちはどうしても陽である器量だけを求めてしまいがちです。私などつい最近まで陽ばかり求めていました。

 独立して三年はかなり好調でした。信じられないぐらいの収入もありました。調子に乗った私は、易経の乾為天でいう、亢龍になり、天に奈落の底に叩き落とされました。易経の坤為地は、こういうときは、何かをしようとするのではなく、徹底的に受け入れろ、陰に徹せよと教えます。なのに私は、苦境を脱しようとして、新しい仕事を創ろうとしました。つまり、陽である器量を発揮しようとしたのです。天の動きに逆らってうまくいくはずがありません。案の定、奈落の底の底のまたその下の底に叩き落されました。いまだにその負の遺産を背負っています。

 天は大きな宿題をくれました。その宿題をまだ片づけていません。数年前まではこの宿題をどう片づけたらいいかわかりませんでした。でも、今は、片づけ方がわかってきました。

 五千年以上も前に創られたこの人間の英知である易経があるのに、今に生きる私は、知らないために、当たり前のミスを犯してしまったのです。馬鹿ですね(笑)。

 運命は人間を助けてはくれません。陰の時期には陰を受け入れ、陽の時期には陽を発揮し、コツコツコツコと自分を磨いていくことしかありません。

 陰だけではだめです。陰は善も悪も受け入れるので、そのままにしておくと身動きが取れなくなります。陽に転換する時期にはちゃんと陽の動きがとれるようにすることが大切です。

 器量と度量の両方を磨いていくことが人間の成長なのでしょうね。器量と度量を磨き、一段高いところで陽と陰を統一していくことを止揚(アウフヘーベン)と言います。これが「中する」という意味です。妥協するとか、みんな仲良くするとかという前総理大臣の使い方とは全く違います。

 不埒な教祖による戦後の過った教育を受けた私たちは「自分の好きにしろ」と言われました。つまり、度量など必要がないと。だから、ちょっと自分の意にそぐわないことが起きると、すぐに折れてしまいます。場合によっては切れます。この過った個性教育は我が國を壊しました。個性とはもっと別の意味があります。

 我が國は、民主主義よりはるかに優れた、理想的な人間社会である「家族主義」を有していました。家族主義とは家庭の事ばかりではありません。会社、仕事、地域、そして國家のすべてが家族主義でした。下積みの頃は、苦しい時期を積み重ね、その人間集団の中で「自分の役割」をみつけ、コツコツコツコツ果たしていきます。これが個性です。そして、ある一定の地位に来た時に、積み上げた器量を発揮していきます。まさに「中する」という止揚を人生の中で実現していました。

 この人間社会の素晴らしさを事業を通じて実現していき、次世代に伝えていくことが私の天命です。この天命を果たすために天は、私に大きな大きな宿題をくれたのでしょう。

 今年は、もういちど陰の修行をしています。そして、来年は陽である乾為天の潜龍の時代を迎えます。つまり、まだ調子に乗るなということ。事業はもちろん推進していきますが、来年、人生における「確乎不抜の志」を創造します。そして二度と亢龍にならないよう陰陽併せ持った止揚ができる人間になります。

 思い出すのも嫌な苦しい時期でした。まだ終わりません。天が許してくれるまで。


【昨日の食事】 
 朝ごはん:朝のおむすび弁当
 昼ごはん:そば
 夜ごはん:居酒屋

 【平成二十五年個人方針】
 1.テーマ  陰を積む
  クライアントと仲間を陽に引き上げるために自らが陰を積む(易経の坤為地(こんいち)の心を知る)

 (理由)   自分の性格と行動は明らかに陽である。しかしながら、これまでの人生を検証すると、陽のみ、つまり易経の乾為天(けいいてん)の時は、必ず亢龍の時期を迎 えている。一方、陰陽うまく重ねあわされた時には、必ず人生における充実した期間を過ごしている。わが社の理念である「武士道」を実践・実現するために も、天命を果たすためにも、クライアントおよび仲間を陽に引き上げるためにも「陰」を徹底的に身に着けることが大切と判断した。本年は、陰の修業を行う。

2.実現すること
(1)年間定量目標の達成(事業・個人)
 (2)年間定性目標の達成
 (3)週間行動具体策の実行
(4)日間行動具体策の実行(ルーティン)

 3.行動目標
  実行するための必須テーマ 夜2時の就寝または朝4時(遅くても)の起床
  目標達成のために絶対に必要な「自分を見つめなおす時間」「クライアント・仲間のことを考える時間」「ルーティン実行の時間」を創造するために、翌朝の業 務開始が早いときは夜2時までこれらを実行し、翌朝の業務開始が通常以降の時は朝4時に起きる。そのために酒量を昨年の3分の1にする。

 4.具体的目標及び行動具体策
(1)年間目標
<事業定量目標>
 ①借入金の半分返済
 ②平成二十五年三月三十一日時点の未決事項「0」(三日前までに業務準備終了)
 ③ビジネスモデル50個以上作成  22個 残り28個
 ④新規提案100個以上 28個 残り72個
⑤売上目標(割愛) 詳細事業計画は1月末までに作成  3月末に作りました
⑥出版2冊

<個人定量目標:年間>
 ①3600回の感謝の気持ちを具現化する(手紙を3600通:士魂商才・年賀状を含む)502通/3,092通
②200冊以上の読書 90冊/110冊 読んだ本はこの日誌の一番下に紹介しています
③ブログ730通以上 402通/328通
 ④体重10キログラム減  83.5㎏(これがスタート)→81.0㎏
⑤寺子屋12回以上 4回
⑥和歌365首以上  164首/201首
 ⑦士魂商才12冊 5冊

<個人定性目標>
①大学・終戦の詔勅の完全暗唱
②易経六十四掛の内容理解
③一カ月に3日の休日

(2)週間目標
 ①先週検証・次週計画:
②息子に手紙を書く:
 ③先週業務(とくにクライアント)の検証と方針立案:

(3)日間目標(ルーティン):ごめんなさい。わからなくなってしまいました。来月からちゃんとつけます。
 ①私は毎朝、朝のおつとめをします(皇居遥拝、宗像大社遥拝、神拝礼)
②私は毎朝、三つの唱和をします(般若心経、教育勅語、大祓詞)
③私は毎朝、少しずつ新しい暗唱をします(今は大学と終戦の詔書を完璧に覚える)
④私は毎朝、三つの連携先について5分ずつ深く思考します 
⑤私は毎朝、一部分を順番に掃除します 
⑥私は毎日、新しいビジネスモデル構想を1つノートに書きだします(完成ではない)  
⑦私は毎日、未決管理表を詳細に読み込みます 
⑧私は毎日、全クライアントのことを3分以上考えます 
⑨私は毎日、5年間の夢、1年間の夢を3分以上眺めます
⑩私は毎日、10分以上次の事業づくりの勉強をします 


【行動規範:八戒】
 いつも最悪の事態を想定せよ そして、今日一日の最良の行動をとれ
自分のことばかりしゃべるな(ブログでは勘弁ね)
自分以外の人に強い興味を持て(ただし、必要以上に期待をかけるな、過去の出来事のこだわるな)
自分の馬鹿加減を常に思い出せ
人から受けた恩は忘れるな 人へ施した恩はすぐに忘れろ
小さな仕事こそ丁寧にやれ

<読んだ本>
 コ レキヨの恋文、超訳・易経、プリンシプル、月刊致知二月号、白洲次郎 占領を背負った男、歴史街道2月号、精神論抜きの電力入門、知の愉しみ 知の力、歴 史に学ぶリーダーシップ、親子のための仏教入門、孤愁(サウダーデ)、絢爛たる悪玉、南洲翁遺訓を読む わが西郷隆盛論、ひととき2月号、三国志 人間通 になるための極意書に学ぶ、四書五経入門、WEDGE3月号、WILL3月号、WILL2010年10月号、子々孫々に語り継ぎたい日本の歴史、東京裁判 を裁判する、昭和史、ジョージ・ブッシュが日本を救った、偉人リンカーンは奴隷好き、オバマ大統領は黒人か、サダム・フセインは偉かった、孫子 勝つため に何をすべきか、十八史略 上 安岡正篤、月間致知三月号、一個人 仏教美術入門、サライ二月号 必見の美術展全ガイド、易と人生哲学、歴史通3月号、取 り戻せ、日本を。、皇室入門、できる人の生き方に学ぶ ヒルティ、ひととき三月号、一個人 イタリア・ルネサンス絵画入門、この世に恋して、新しい国へ、 WiLL4月号、十八史略 下、日本興国論、新天皇論、経済の自虐主義を排す、月間致知四月号、愛と死をみつて、いのちの日記、ひらめき脳、読む年表、 WILL5月号、ひととき4月号、近代日本は日本がつくった、生命ある日に、正論5月号、統計学が最高の学問である、正論1月号、日本よカダフィ大佐に習 え、ジョージ・ブッシュが日本を救った、戦争の歴史中国と日本、日本人の忘れ物、サンデルよ正義を教えよう、白い人が仕掛けた黒い罠、正論12月号、歴史 通5月号、致知五月号、ウエッジ五月号、ひととき五月号、WILL6月号、サライ 、私訳 歎異抄、宋名臣言行禄、「悪知恵」のすすめ、ローマ法王に米を食べさせた男、昭和の三傑、幹部の器量 宋名臣言工録に学ぶ、私訳歎異抄、正論六月 号、致知六月号、ゲシュタルト療法、密教入門、法華経入門、中国・韓国に二度と謝らないための近現代史、この世の偽善、ひととき六月号、ウェッジ六月号、父母恩思経、WILL六月号



 

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このページは、宝徳 健が2013年6月 1日 07:16に書いたブログ記事です。

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