【第六十六号:元】
いつもお世話になっております。「士魂商才(しこんしょうさい)」第六十六号です。タイトルは「元」です。
易経においてすべてが「陽」の卦を乾為天(けんいてん)と言います。龍の話なのですがそれはまたいずれ本文で解説します。乾の卦で有名な言葉に「元亨利貞」があります。これを乾の四徳といいます。今月は、その中の「元」について解説します。四つの言葉を総括しているのが元です。元の字は、「ニ」と「儿」からできています。「儿」は人間が歩く活動を表しています。
元の字は、自然と生物とを要約した文字です。「万物一元に帰す」という言葉がありますが、時間的にいえば「はじめ」、「立体的」にいえば「もと」になります。また、部分的に対する「全体的」、小に対する「大」です。つまり、万物を創造し、これを育成していく大きな力が「元」です。
私たちは何気に「元気」という言葉を使いますが、これがまたすごい意味です。元気の本来の意味は「人間の分析、分解を超越した総合・統一・全体的な活力、生育の力」だそうです。その極みが「元」であり、これに気をつけると元気になります。易経から出た言葉だったのですね。
歴史を学べば学ぶほど、かつての我が國には、この「元気」に満ち溢れていたことがわかります。不埒な日教組による戦後の過った教育は、過去の我が國を「悪い國だった」と表現しますが、決してそうではありません。我が國史上、最悪な状態とは現代です。國から金をむしり取ることばかり考え、ITを使って人をいじめたり、電車の中では「総スマフォ欠乏症候群」が、かつての不良のシンナー集団の様相を呈しています。満員電車やエレベーターにベビーカーに堂々と乗り込む母親。人に迷惑をかけても注意しない親・・・。列挙すると枚挙に暇がありません。なのに、現代の自分たちの時代が、我が國史上最悪という自覚がありません。
これでは、かつての我が國のような元気に満ち溢れるわけがありません。元気が出ない國がよい國になるはずがありません。次世代に何を伝えるか。「元」なのかもしれませんね。
今月号もお楽しみください。
感謝合掌
平成二十五年六月吉日
株式会社 経営戦略室
代表取締役 宝徳 健
いつも 士魂商才ありがとうございます。
楽しく読ませていただきます。
和性先生、コメント感謝します。いつも士魂商才をお読みいただいて感謝します。またいろいろやっていきましょうね。