獺祭

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 山口県に「獺祭」というとってもおいしいお酒があります。「だっさい」と読みます。
 我が國では、七十二候 雨水 初候は「土脉潤起(雨が降って土が湿り気を含む)」です。

 支那では「獺祭魚(獺(かわうそ)が捕えた魚を並べて食べる)」です。

 また獺祭とは「書物をよく好み、引用する人のこと」という意味もあります。

 なんと、この言葉は四書五経の一つ「礼記(らいき)」にあるんですね~。礼記の月令孟春の条に「東風凍を解き、蟄虫は始めて振く。魚氷に上り、獺魚を祭り、鴻雁来る」とあります。

 春になってカワウソが漁をはじめ、魚を捕えることを意味しています。カワウソは捕えた魚を川岸に並べる習性があります。これが祖先を祭るときの供え物のように見えたことから「魚を祭り」とされました。

 唐の時代のある政治家は、自分の著作の中で、たくさん古典から言葉を引用しました。それが詩作の中に多くの書物をカワウソのように並べたとされ、獺祭魚と呼ばれました。だから、「書物をよく好み、引用する人のこと」意味があります。

 私が大好きな正岡子規は、自らを獺祭書屋主人と称しました。式の命日九月十九日は獺祭忌と呼ばれるのはそのためです。
 
 なんか、素敵だなあ~。古典って素敵だなあ。教養ですよね~。子供の内からこういうことを覚えているといいですね。ただお酒を飲むという行為が、こんなに素敵なことに変身します。

獺が 魚を並べる 姿みて 祭りと称す 古代の人々





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このページは、宝徳 健が2013年10月 2日 03:43に書いたブログ記事です。

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