釣瓶落とし

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 今は、七十二候 五十候 寒露 次候 「菊花開」です。
 この頃になると日が暮れるのが早くなります。井戸の釣瓶を落とすように、まっすぐ早く日が落ちることから、「釣瓶落とし」と言われるようになりました。

 京都、滋賀、岐阜、愛知、和歌山では、ちょっと違うようです。妖怪なんだとか(笑)。

 口丹波(京都府丹波地方南部)の口承によれば、京都府曽我部村字法貴(現亀岡市)では、釣瓶下ろしはカヤの木の上から突然落ちてきてゲラゲラと笑い出し、「夜業すんだか、釣瓶下ろそか、ぎいぎい」と言って再び木の上に上がっていくといわれています。また曽我部村の字寺でいう釣瓶下ろしは、古い松の木から生首が降りてきて人を喰らい、飽食するのか当分は現れず、2、3日経つとまた現れるといいます。同じく京都の船井郡富本村(現南丹市)では、ツタが巻きついて不気味な松の木があり、そこに釣瓶下ろしが出るとして恐れられた。大井村字土田でも、やはり釣瓶下ろしが人を食うといわれています。

 岐阜県久瀬村(現揖斐川町)津汲では、昼でも薄暗いところにある大木の上に釣瓶下ろしがおり、釣瓶を落としてくるといわれています。、滋賀の彦根市でも同様、木の枝にいる釣瓶下ろしが通行人目がけて釣瓶を落とすといわれています

 和歌山県海南市黒江に伝わる元禄年間の妖怪譚では、古い松の大木の根元にある釣瓶を通行人が覗くと光る物があり、小判かと思って手を伸ばすと釣瓶の中へ引き込まれて木の上へ引き上げられ、木の上に住む釣瓶落としに脅かされたり、そのまま食い殺されたり、地面に叩きつけられて命を落としたといわれています

 急に日が暮れるのが早くなることを妖怪に例えたのですね。でも、我が國の妖怪は、なんとなく憎めません。

虫の声や 秋の月夜を 眺めながら 物思ひにて 過す夜長を 

 

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このページは、宝徳 健が2013年10月16日 01:12に書いたブログ記事です。

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