一条路を見

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 佐藤一斎先生の「言志四録」からです。

「凡そ大硬事(だいこうじ)に遇わば。急心もて剖決するを消(もら)いざれ。須らく姑(しばら)く之を舎(お)くべし。一夜を宿し、枕上(ちんじょう)に於いて粗商量(ほぼしょうりょう)すること一半(いっぱん)にして、思いをさ齎(もた)らして寝(い)ね、翌旦の清明なる時に及んで、続き之を思惟(しい)すれば、則ち必ず恍然として一条路を見、就即(すなわ)ち義理自然に湊泊(そうはく)せん。然る後に徐(おもむろ)に之を区処せば、大概錯誤を致さず」
「すべて大難事に遭遇した時は、焦って決断してはならない。しばらくはそのままにしてよく考えるのがよろしい。一晩そのまま留め置いて、寝床についてから半分ぐらいを考え、そのままに思案しながら寝て、翌朝心が清くすっきりしたときに引き続いてこれを思案すれば、必ずおぼろげながらも一筋の道が見えてくるものである。そうすると。物事の筋道が自然に形作られてきて、その後ゆっくり一つひとつ問題を処理すれば、たいてい間違うことはない」

 せっかちな私は、すぐに問題を処理しようとして、後でその処理の仕方が誤っていたことに気づくことがあります。確かにそうですね。

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このページは、宝徳 健が2013年11月30日 08:21に書いたブログ記事です。

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