今日、ご紹介する参議篁(さんぎたかむら)という男は、なかなか骨のある人物です。
わた原の 八十島(やそしま)かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ あまの釣り舟
参議篁と申し上げましたが、本名は小野篁です。彼は遣唐使のひとりとして選ばれました。ところが、出発寸前になって、一団のリーダーである藤原常嗣(つねつぐ)ともめて、面白くないことから仮病を使って船に乗らなかったのです。
さらに腹いせに「西道謡(せいどうのうた)」をつくって遣唐使を風刺することまでやりました。なので、時の権力者嵯峨上皇の怒りに触れて、隠岐へ流されてしまいました。
この歌は、篁が隠岐へ向かう途中で詠んだものです。
「おい、漁師の釣り船よ。都にいるあの人に伝えてくれ。俺は大海原のたくさんの島を目指して、船で漕ぎ出していったよと」
男らしい人ですね。不平不満や愚痴は一切云っていません。「人には告げよ」は、女々しさのかけらもなく、堂々と流されていったとの宣言ともとれます。
篁は後に許されて都に帰還します。参議篁の参議は、その時に得た高位の役職です。
こういう骨のある人なので、篁は人気者になり、彼を主人公とした「篁物語」もできました。
さらに腹いせに「西道謡(せいどうのうた)」をつくって遣唐使を風刺することまでやりました。なので、時の権力者嵯峨上皇の怒りに触れて、隠岐へ流されてしまいました。
この歌は、篁が隠岐へ向かう途中で詠んだものです。
「おい、漁師の釣り船よ。都にいるあの人に伝えてくれ。俺は大海原のたくさんの島を目指して、船で漕ぎ出していったよと」
男らしい人ですね。不平不満や愚痴は一切云っていません。「人には告げよ」は、女々しさのかけらもなく、堂々と流されていったとの宣言ともとれます。
篁は後に許されて都に帰還します。参議篁の参議は、その時に得た高位の役職です。
こういう骨のある人なので、篁は人気者になり、彼を主人公とした「篁物語」もできました。
今ここに よみがえりつつ 訴えつつ 古代の読み手の 力強さが
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