百人一首 5

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 子どもの頃、百人一首に初めて触れた時、「変な名前の人が多いな~」と思いました。何歳の時だっけ~??? 正月であったことは間違いありません。当時の正月は、今の様ではなく、もっと落ち着いていました。凧揚げ、コマ回し、カルタ、羽根つき・・・。いいですね。ゲームやITなんか正月には不要です。

 今回は、その変な名前の人の一人です。猿丸大夫(さるまるだいふ)。

奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき
「人里離れた奥山で、散り敷かれた紅葉を踏み分けながら、雌鹿が恋しいと鳴いている雄の鹿の声を聞くときこそ、いよいよ秋は悲しいものだと感じられる」

 この紅葉踏み分けは、人が踏み分けたのか鹿が踏み分けたのかと昔から議論があります。鹿としている説が多いようです。

 鹿は、秋になると、メスを恋しがって鳴くとされていて、そこに遠く離れた妻や恋人を慕う気持ちが重ねあわされています。

 「声聞くときぞ 秋は悲しき」の「ぞ」は、強意の係助詞で、文末を形容詞「悲し」の連体形「悲しき」とむぅびます。こういう表現が現代人にはなかなかできないのですね~。學校で、本来の日本語を學ばなかったからです。「は」も係助詞で、他と区別してとりたてて、というような意味です。ここでは「田の季節はともかくとして秋は」という意味です。ですから、「(そういう時は他にもいろいろあるけれど)鹿野鳴き声をきくときは、とりわけ秋が悲しく感じる」となります。

 この猿丸大夫は、伝説の歌人と云われ、謎の人物です。三十六歌仙のひとりに数えられながら、確実に彼の作品だと云えるものが一つもありません。柿本人麻呂の別名ではないかとも云われています。

 滋賀県大津市に彼の墓があるとも云われています。いいですね~。テクテク、猿丸大夫の墓を探して歩くような旅が、私は大好きです。特に大津はいい。京都市内もいいのですが、大津にもたまらない魅力があります。

 もういちど、百人一首に触れたいなと思って始めたシリーズですが、書いてよかったと思っています。和歌は素敵ですね。我が國は素敵ですね。情緒の無い英語などを小學校から勉強なんてしなくていい。國語をしっかりと學ぶ必要があります。

 TOICやTOEFULの点数を大學受験に必須にするのではなく、和歌や漢文を必須にすればいい。

 英語は後からいくらでも學べます。

藤原の 定家が残した 謎に触れ 正体不明の 人を探して

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このページは、宝徳 健が2014年1月 9日 00:24に書いたブログ記事です。

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