一燈を頼め

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 佐藤一斎先生の「言志四録」からです。

「一燈を提(さ)げて暗夜を行く。暗夜を憂うること勿れ。只だ一燈を頼め」
「手元に一つの提灯をさげて暗い夜道を行く時には、暗夜を心配することはない。ただ一つの提灯を頼りにして行けばよいのだ」

 うんうん。人間は大切なことを忘れて、いらんことに氣を使いすぎることがありますね。

 では、提灯の火が消えたらどうするか。脚下照顧です。

 昔、ある偉いお坊さんとお弟子さんが暗い道を歩いていました。お弟子さんは手に提灯を持っています。その時、風が吹いて提灯の火が消えてしまいました。もう、真っ暗です。お坊さんがお弟子さんに云いました。「今の心境は?」。お弟子さんが答えました。「脚下照顧」。お坊さんは云いました。「それでいい」。

 人間はお先真っ暗になった時に、慌てて何をすればいいかパニックになります。辛い時ほど、足元をみるというのが脚下照顧の意味です。

 経営もそうですね。しんどいときに新しいことに手を出して、貧すれば鈍するの世界にどんどん入ってしまい、収拾がつかなくなる時が多々あります。

 人生にも経営にも「陽」と「陰」の時があります。陰の時は、じっくりとその苦しさを受け止めへたに動いてはなりません。世界最古の古典 易経の教えです。

陰の時 陰の教へを 受け止めて 慌てず動かず 受け止めるのみ

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このページは、宝徳 健が2014年2月24日 19:39に書いたブログ記事です。

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