霞始靆

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 今は、七十二候 五候 雨水 次項 「霞始靆」です。「かすみはじめてたなびく」と讀みます。

 霞がたなびきはじめる頃です。「たなびく」とは「横に長くただよう」状態のことを云います。

春の野に 霞たなびき うら悲し この夕かげに 鶯鳴くも

 萬葉集にある大伴家持の歌です。「春の野に霞がたなびいて心は悲しみに沈む。この夕光の中に鶯が鳴くよ」。

 だいぶん暖かくなってきました。冬から春になる頃、「霞」がたって遠くが見えにくくなることがよくありました。今は、あまりみられない光景ですが、これを「春霞」と云います。

 我が國では、この状態を、春は「霞」と呼び、冬は「霧」と呼びます。季節によって呼び名が違う者がいくつかあります。牡丹が咲く頃作られるのが「牡丹餅(ぼたもち)」です。同じものでも、萩の秋の頃は「おはぎ」となります。日本語は素敵ですね。

幼き頃 母が作りし 牡丹餅を 口いっぱいに ほおばり尽くす

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このページは、宝徳 健が2014年2月28日 01:56に書いたブログ記事です。

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