百人一首四十壹

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恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか
 壬生忠見(みぶのただみ)の歌です。

 平兼盛のうたと歌合せで對決した一首です。官位は低いのですが、歌人として名高く、三十六歌仙の一人です。

 摂津の國の役人として田舎住まいをしてゐた忠見に歌合せ出席の勅命が下りました。

 西欧諸国では、王の生活や習慣を眞似をしたら死刑でした。我が國では、天皇陛下の眞似をすることは、許されてゐました。例えば和歌でも、どんなに身分が低くても歌を詠むのが上手だつたら宮中にあがることができました。今の歌会始もそうです。

 なので、文化が花開きました。忠見もたいそううれしかったでせう。

「戀をしているといふ私のうわさが早くも世間に流れてしまつた。誰にも知らないやうに密かに思い始めたばかりだといふのに」

 この歌の対決は兼盛に軍配があがりました。一説では、それがくやしくて食べ物がのどを通らなくなり、不治の病いにかかつて亡くなつてしまつたといふことです。

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このページは、宝徳 健が2014年4月12日 06:57に書いたブログ記事です。

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