百人一首 四十參

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逢ひ見ての 後の心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり

 権中納言圧敦忠(藤原敦忠)の歌です。 「後朝の歌(きぬぎぬのうた)」といふ言葉をご存知でせうか?
 この歌は、拾遺抄といふ本に「初めて女のもとにまかりて、また朝のつかはしける」とあります。

 つまり、初めて夜を一緒にする女性のもとを訪れた朝に詠まれたものです。男女が初めて寝屋を共にした朝に、男性から女性に贈る歌の事を「後朝の歌(きぬぎぬのうた)」と云ひます。平安時代の戀(恋)は、粋なものです。

 意味は「あなたに会つて、一夜を過ごしたこの戀しい氣持ちに比べれば、会う前までのもの思ひなど、してゐないのも同然だつたなあ」です。

 彼の父親は藤原時平です。そう、菅原道真を大宰府へ追放した男です。その時の、菅原道真が詠んだ歌が、

東風(こち)吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ

です。有名な歌ですね。

 時平は三十九歳で亡くなりました。道真の祟りと畏れられました。敦忠も三十八歳で亡くなりました。う~ん。

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このページは、宝徳 健が2014年4月16日 06:42に書いたブログ記事です。

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