歴史的假名遣ひと正しい漢字

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 今日の漢字は「」です。
 旁(つくり)は、呪具の「工」を上下から手で持つ形です。それに心を加へた形なので、これは慎み深く神をおかくしすることをあらわしてゐます。なので、穩は、気候が穩やかで作物がよく實(実)ることを禱ることになります。禾は作物を意味します。

 今の穏は最も大切な「工」が抜けていますので、本來の意味をまつたく失つてしまつてゐます。つまらないですね。

 歴史的假名遣ひです。今日も福田先生の本を書いていきます。

「私 の筆が進まない理由は、これから書かうとする内容にあるのではなく、また私自身における意慾の不足にあるのでもなく、私が語りかけようとしてゐる人たち、 手つとり早くいへば、一般讀者といつてお、これが發表される雑誌の性質と私の職業から考へて、それは文學に關心をもつ讀者といつていいでせう。私はさうい ふ讀者を頭において書きはじめる。さうすると、決つて二十枚近くまでゆくと、厭になるのです。書く氣力を失ふ。それは一種の劣等感に基づく不安なのであり ます。すなはち、書きはじめて暫くすると、相手が私の話を聽いてゐないのではないかといふ不安が頭をもたげてきて、それが大体二十枚くらゐで最大限度に達 し、うんざりして筆を投げるといふわけです」

 なるほど、この「聽く」は耳がふたつありますね。人間の耳は二つです。正しい漢字はすごい。

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このページは、宝徳 健が2014年4月22日 02:56に書いたブログ記事です。

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