霜止出苗

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 今日から、七十二候 十七候 穀雨 次候 「霜止出苗」です。

 「しもやんでなえいず」と讀(読)みます。霜が終わり稲の苗が生長する頃です。田に水が張られはじめました。この時期の緑と他の水に映えてたまらなく美しい。我が國は美しい。この稲作りといふ、天壌無窮がこれからも續きますやうに。

 この時期になり、蓬(よもぎ)を観るといつも思い出します。
 子供のころ、蓬を採つて歸ると、母が蓬餅を作つてくれました。草餅ともいはれていますね。

 また、蓬の葉は、かつては止血などに使ひました。漢方薬でもあるのです。

 「蓬の門(かど)」といふ言葉は、蓬が生い茂つて荒れ果てた門のことです。家がすたれてしまつた様子を云ひ、または蓬で葺いたそまつな家のことといふ意味もあります。

 ここから、「蓬が杣(そま)」と云つて、自分の家をへりくだつて云ふ場合に使ひます。

 さらに「蓬の跡」といふ言葉は、お灸をすえてついた後の事です。蓬の葉の裏にある毛は、臼でついて綿状にした艾(もぐさ)に使はれます。艾はお灸をすえるときに燃やす材料です。

 かつての我が國の生活には欠かせないものでした。情緒がない世の中になつたものです。

我が採りし つくしやわらびや ぜんまいや よもぎがのぼる 夕餉の食卓 

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このページは、宝徳 健が2014年4月25日 05:39に書いたブログ記事です。

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