歴史的假名遣ひと正しい漢字

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 今日の漢字は「覺」です。略字は「覚」です。
 「學」も冠が同じです。覺は「學」+「見る」の合成形成文字です。冠の××の所は「交わる」と云ふ意味です。××以外のの所は、「両手」と「建物(ワの部分)」です。「教へる者と教わる者が交わる場所」と云ふ意味となります。つまり「學」です。「見る」は「大きな目と人の象形」ですから、「學んではつきり見える」つまり「覺へる」「覺とる」となりました。

 歴史的假名遣ひです。福田先生の本を置いてきてしまつたので、別のものを・・・。先日讀んだ、川端康成の超名作「雪國」の一節です。

「國境の長いトンネルを抜けると雪國であつた。夜の底が白くなつた。信号所に汽車が止まつた。向側の座席から娘が立つてきて、島村の前にガラス窓を落した。行の冷氣が流れこんだ。娘は窓いつぱいに乘り出して、遠くへ叫ぶやうに、「駅長さあん、駅長さあん」明かりをさげてゆつくり雪を踏んで來た男は襟巻の鼻の上まで包み、耳に帽子の毛皮を垂れてゐた。もうそんな寒さかと島村は外を眺めると、鉄道の官舎らしいバラックが山裾に寒々と散らばつてゐるだけで、雪の色はそこまでいかぬうちに闇に呑まれてゐた」

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このページは、宝徳 健が2014年5月 7日 01:20に書いたブログ記事です。

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