百人一首 五十七

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めぐり逢ひて みしやそれとも わかぬまに 雲がくれにし 夜半の月かな

 心の戀人(恋人)紫式部の歌です。
「久しぶりにあつたけれど、見分けもつかないうちに、雲隱れした真夜中の月のやうに、たちまちその人は去つてしまつたことだなぁ」

 戀の歌のやうにみえますが、これは女友達を思つて詠んだ歌です。新古今和歌集からの出典ですが、「はやくよりわらはともだちに侍りける人の、年ごろへてゆきあひたる、ほのかにして、七月十日のころ、月にきほひてかへり侍りければ」とあります。

 夜半に沈む月のやうに早々と帰つてしまつた友達を惜しんだ歌です。

 紫式部は漢文の素養もあるとても素敵な女性でした。この歌も素敵ですね。

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このページは、宝徳 健が2014年5月24日 08:06に書いたブログ記事です。

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