やすらはで 寝なましものを 小夜更けて かたぶくまでの 月を見しかな
赤染衛門の歌です。一条天皇の后・中宮彰子(ちゅうぐうしょうし)に仕へてゐました。
「いらっしゃらないと知っていたら、ためらはずに寝てしまつたのに、待つてゐたら夜が更けて、西の空に傾く月を見たことです」
來るといふ男の言葉を楽しみに待ち明かしたが、つひに男は來ませんでした。約束をすつぽかした男への恨みごとをつらつら詠んでゐます。まんじりともせず、ただ月を眺めている女。月は無情にも西へ西へと傾いていきます。そして、もう今日は來ないんだといふ悲しい革新に達した女は、月に向かつて深い吐息をもらす。
和歌はすごいですね。千年以上も前の情景が今によみがへります。
「いらっしゃらないと知っていたら、ためらはずに寝てしまつたのに、待つてゐたら夜が更けて、西の空に傾く月を見たことです」
來るといふ男の言葉を楽しみに待ち明かしたが、つひに男は來ませんでした。約束をすつぽかした男への恨みごとをつらつら詠んでゐます。まんじりともせず、ただ月を眺めている女。月は無情にも西へ西へと傾いていきます。そして、もう今日は來ないんだといふ悲しい革新に達した女は、月に向かつて深い吐息をもらす。
和歌はすごいですね。千年以上も前の情景が今によみがへります。
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