世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞなくなる
詠み人は、皇太后宮大夫俊成(こうたいごうぐうのだいぶしゅんぜい)です。藤原俊成(ふじわらしゅんぜい)です。この百人一首の撰者 藤原定家の父です。
「世間から逃れる道はないものだなぁ。思い詰めて分け入つたこの山の奥でも、悲しげに鹿が鳴いてゐるやうだ」
平安末期の、時代が大きく転換する動乱の世の中を見續けてきた俊成は、この歌で無常觀を詠んでゐます。俊成二十七歳のときの歌です。
俊成の出家願望がこの哀愁歌となりました。
平安末期の、時代が大きく転換する動乱の世の中を見續けてきた俊成は、この歌で無常觀を詠んでゐます。俊成二十七歳のときの歌です。
俊成の出家願望がこの哀愁歌となりました。
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